クレームの種類と原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される

クレーム原因は「品質不良」「接客態度」など

品質、サービス、対応のまずさが不満を引き起こす

ここでは、どんなことがクレームの原因となるかを見てみましょう。

大きな傾向として4つあります。

 

①品質の不良

「商品の欠陥や不足」「サイズや色が違うといった手配ミス」「賞味期限切れや破損」「産地偽装」「約束時間を守らない」「予約が入っていない」「過剰請求」なども含まれます。

「折り返しお電話します」と約束して電話をしない約束不履行も、サービスの品質不良に当てはまります。

 

②接客態度が悪い

「無愛想だった」「ものの言い方が横柄」「失礼な言葉づかい」「態度や挨拶がぞんざい」「電話をたらい回しにされた」「要望を無視された」などです。

これらは怒りを倍増させる大きな要因です。

「自分は軽くみられた」と、お客様の自尊心を傷つけるような行為や言動はクレームにつながります。

 

③社内のルールを押しつける

うっかりやってしまうのが、この社内ルールの押しつけです。

例えば「3日待ってもらわないと商品は発送できない」「登録してもらわないと入会できない」「レシートがない場合は返品できない」といったように“ダメ”“無理”“決まりごと”“システム”など、自社の都合やルールを一方的に押しつけるのは、怒りのもとになります。

あくまでもお願い、依頼形表現で伝えることです。

 

④お客様の勘違い・不注意

お客様側に問題がある場合でも、クレームは発生します。

サイズの間違い、イメージ違い、説明書の未読によるミス。

さらに「そんなことは聞いていない」というお客様の勘違いなどです。

これらはお客様が悪いのではなく、事前の説明不足や配慮のなさから誤解させた企業側にも落ち度があると考えるべきです。

 

以下に企業や消費生活センターに多く寄せられる苦情内容をあげました。

いずれも先にあげた4つの要因にあてはまるものばかりです。

○商品、サービスの品質についてのクレーム
○商品が不良品だった
○(食品・製品に)異物が混ざっていた
○賞味期限が切れいている
○接客態度が悪い、言い方が失礼
○問い合わせへの返事が遅い、回答がない
○説明が悪い、わかりにくい
○予約がとられていない
○長時間待たされた
○たらい回しにされた
○約束違反・不履行
○品切れ、納品ミス
○買いに来たのに品切れだった
○違う商品が届いた
○納期、配達ミス
○注文した商品が届かない
○注文した時間に届かない
○価値観の違い
○お客様の欲求不満
○料理がまずい
○ほかの店の方がよかった
○お客様の勘違い、思い込み、知識不足
○思っていた商品と違う
○商品が使いこなせない

 

とくに、応対の悪さ、返事の遅れ、説明不足によるクレームは、火に油を注ぐようにお客様の怒りを買ってしまうもの。

企業のクレームに対する意識不足の表れでもあります。

また、お客様の勘違い、思い込みなどからくる不満は、こじれると大きなトラブルへと発展してしまいます。

言葉を選んで慎重に対応しなければなりません。

 

ワンポイント

クレームの原因の大半は、人が引き起こしている

 

お客様が不満となる原因、お客様の満足をつくる要因

お客様が感じる不満と満足を決定づける要素は「対応の早さ」「態度」「正確性」「説明内容」「傾聴」「知識」「優先度」「理解」などです。

この要因を理解し、不満を満足に変える対応を心掛けましょう。

お客様の不満と満足説明画像

 

著者のTwitterはこちらから

「古谷はるこ@女社長のビジネス」センス

 

クレーム対応の全技術:全32回

第1回:みんな最初はクレームが怖い

第2回:お客様の「残念な思い」が怒りとなって表れる

第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される

第4回:普通の人や高齢者からのクレームが増加中

第5回:クレーム対応時にやってしまいがちな5つの間違い

第6回:クレーム対応の基本|これだけは必ず守りたい

第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」

第8回:対面でのクレーム対応

第9回:SNSに苦情投稿があった場合の対応

第10回:電話でクレームを受けたときの初期対応

第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法

第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道

第13回:対応を間違えると危険な不当クレームと対処法

第14回:難クレーム対応プロセスのポイント

第15回:クレーム対応で「対面の第一印象」を上げる方法

第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける

第17回:クレーム対応では「フィードバックスキル」が有効

第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る

第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う

第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる

第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現

第22回:「部分謝罪」と「部分共感」を使いこなす

第23回:簡潔でわかりやすい「説明の3原則」を使いこなす

第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」

第25回:話が長いタイプのお客さまへのクレーム対策

第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム

第27回:知識豊富で教えて魔タイプのお客様へのクレーム対策

第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム

第29回:過度な期待のもと「なかなか効果が出ない」と訴えてくるクレーム

第30回:クレームは貴重な情報源

第31回:クレームに強い組織になる

第32回:強行なクレームは「人」「時間」「場所」を変える|二次担当者へスムーズにバトンタッチ

 

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。


出典:クレーム対応の全技術

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