お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム

無理難題を言ってくるクレーム

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感謝と部分謝罪

■お客様が「知らない」「見ていない」と言っても、企業は事前対応の実施を改めて伝える。

■購入時に伝えきれなかったことをお詫びする「部分謝罪」が有効。全面謝罪だと非がすべてこちらにあると認めることになり、お客様の要望を飲まざるを得なくなる。

■まず購入などへの感謝を述べてから部分謝罪。そして企業の事前対応を具体的に提示し、納得をいただいた上で提案へと進む。

 

「バーゲン品を取り換えて」

【Bad!】

客(普通)
客(普通)
この間、バーゲンで買ったワンピースなんだけど、やっぱりサイズが合わないんで交換してもらえないかしら
担当者
担当者
お取り替えでしょうか。申し訳ありませんが、セール品のご返品、お取り替えは、いっさいお受けできないことになっております①
客
いっさいって、ずいぶん不親切ね。バーゲンのとき、ほかのサイズもたくさんあったわよ。サイズ違いなら交換してくれるお店もたくさんあるわよ
担当者
担当者
当店では決まりでして②。お直しなら有料でお日にちいただければできますが
客
そんなこと、この前買ったときに聞かなかったわよ

【Bad point】

①お客様の申告を切り捨ててしまっている。
②決まりを押しつけるだけになっている。

【Good!】

客(普通)
客(普通)
この間、バーゲンで買ったワンピースなんだけど、やっぱりサイズが合わないんで交換してもらえないかしら
担当者
担当者
お買い上げ、まことにありがとうございます。サイズ違いでございましたか、申し訳ございません①。 あいにくではございますが、セール品の場合は、ご返品、お取り替えができず、有料でお直しを承ることになっております②
客
そんなこと、この前買ったときは聞かなかったわよ
担当者
担当者
案内とご購入時のレシートにもお取り替えができないことを記載していたのですが、きちんとお伝えできていなかったようですね。大変ご迷惑をおかけしました①
客(普通)
客(普通)
書いてあった?ほんとね。でも、ちょっと見づらいわね
担当者
担当者
わかりづらい表記で申し訳ございませんでした①
客(普通)
客(普通)
まぁ、でも、そういうことなら仕方ないわね
担当者
担当者
お直しなら○円で、3日で仕上がりますがいかがいたしましょうか③

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【Good point】

①感謝とフィードバックを使った謝罪で誠実な対応になっている。
②会社へのルール、決まりを誠実に伝え、お断りの姿勢を見せている。
③お客様への提案ができている。

 

クレーム対応の全技術:全32回

第1回:みんな最初はクレームが怖い

第2回:お客様の「残念な思い」が怒りとなって表れる

第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される

第4回:普通の人や高齢者からのクレームが増加中

第5回:クレーム対応時にやってしまいがちな5つの間違い

第6回:クレーム対応の基本|これだけは必ず守りたい

第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」

第8回:対面でのクレーム対応

第9回:SNSに苦情投稿があった場合の対応

第10回:電話でクレームを受けたときの初期対応

第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法

第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道

第13回:対応を間違えると危険な不当クレームと対処法

第14回:難クレーム対応プロセスのポイント

第15回:クレーム対応で「対面の第一印象」を上げる方法

第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける

第17回:クレーム対応では「フィードバックスキル」が有効

第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る

第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う

第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる

第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現

第22回:「部分謝罪」と「部分共感」を使いこなす

第23回:簡潔でわかりやすい「説明の3原則」を使いこなす

第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」

第25回:話が長いタイプのお客さまへのクレーム対策

第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム

第27回:知識豊富で教えて魔タイプのお客様へのクレーム対策

第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム

第29回:過度な期待のもと「なかなか効果が出ない」と訴えてくるクレーム

第30回:クレームは貴重な情報源

第31回:クレームに強い組織になる

第32回:強行なクレームは「人」「時間」「場所」を変える|二次担当者へスムーズにバトンタッチ

 

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。


出典:クレーム対応の全技術

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