「部分謝罪」と「部分共感」を使いこなす
「だって、さっきあんた、謝ったじゃないか」と言われないために
マジックフレーズだけでは限界がある
問題点にのみ焦点をあてて謝罪、共感するのが部分謝罪と部分共感。
全面謝罪(企業には危険な謝り方)
「すべてわたくしどもの責任です」
気が動転して、お客様の話を把握せず、とにかく頭を下げてしまう
↓
非はすべて自分にあると認めてしまう
↓
弁償、損害賠償といった問題に拡大する危険性がある
部分謝罪(問題点のみ焦点を当てた謝り方)
「○○について不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした」
お客様の不満にポイントを当てて謝罪する
↓
何に対して不満か、何に怒っているのかが明確になる
↓
お客様の話に神経を集中でき、適切な謝罪ができる。解決も早くなる。
部分謝罪は、お客様の怒りのもとを鎮静化させる作用がある。
また、部分共感はお客様の立場に立って問題を受容していることを表すのに有効な方法。
フィードバックに部分謝罪、部分共感を加えると、謝罪の効果が高まる。
「1回使って故障するなら不良品、新品と取り換えて」(家電量販店のケース)
【Bad!】
①謝罪の仕方が唐突で、質問がわかりにくい
②謝罪のポイントが不明確な上に、お客様に歩み寄る姿勢が乏しい
③お客様が納得できるような案内ができていない
【Good!】
①お客様の発言をフィードバックしながら適切にお詫びしている
②不満を共感で受け止め、少しでもお客様の気が晴れるようつとめている
③適切な部分謝罪ができているので、今後の対応に説得力が増している
クレーム対応の全技術:全32回
第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される
第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」
第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法
第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道
第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける
第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る
第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う
第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる
第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現
第22回:「部分謝罪」と「部分共感」を使いこなす
第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」
第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム
第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。
お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:クレーム対応の全技術