「マジックフレーズ」でクレームに対応|魔法の言葉で誠実さや共感を表現
「まったく失礼ね」と言われないために
会話をスムーズに展開させる魔法の言葉
会話の中で、あいづちを打つように、「感謝」「謝罪」「共感」の言葉をはさんでいくと誠実さを表現できる。
この言葉が「マジックフレーズ」。
マジックフレーズを繰り返しはさむことで、お客様の苛立や怒りを少しずつやわらげて、気持ちをプラスへと向かわせることができる。
コールセンターでは、寄り添いの魔法の言葉として重用されている。
「予約してたのに、何で席がないのよ」(和食店でのケース)
【Bad!】
- 客
- 「予約していた斉藤ですけど」
- 店員
- 「斉藤様ですか、えっと、はい、ご予約いただいていましたよね①」
- 客
- 「予約したって言ってるじゃない、2週間も前に電話したんだけど」
- 店員
- 「お待ちくださいね、同じ時期に他のお客様からも予約をいただいていたみたいで……②」
- 客
- 「そんなこと知らないよ、接待だから奥の席をお願いしていたのに、どうなってるんだ?」
- 店員
- 「すみません、個室ならあいてますが、今日はそちらでどうでしょうか?③ 別途お部屋代をいただくのですが」
- 客
- 「あんた、ふざけてんの? 席はないし、別途料金ってどういうことだよ」
- 店員
- 「すみません、では、今回は特別に個室料金はなしでけっこうですので」
- 客
- 「そっちがミスしといて、こっちが脅したみたいに、まったく失礼じゃないか」
①予約したと言うお客様に確認を繰り返している。
②謝罪をせずに言い訳をしている。
③代案を提案しているが、「そちらでどう?」という非礼な言い方。
【Good!】
- 客
- 「予約していた斉藤ですけど」
- 店員
- 「ご来店ありがとうございます。斉藤様でいらっしゃいますね、失礼ですが、下のお名前も教えていただけますでしょうか」
- 客
- 「斉藤たけしです、2週間前に電話したんですけど」
- 担当者
- 「斎藤たけし様、ありがとうございます。お待たせして申し訳ございません。ただいま、予約を確認してまいりますので、少々お待ちいただけますか?①」
- 客
- 「大切な接待だから、奥の席をお願いしていたはずですよ」
- 店員
- 「はい、申し訳ございません、すぐに確認してまいります」
(予約担当のダブルブッキングが発覚) - 店員
- 「斉藤様、大変申し訳ございません。確認いたしましたところ、私どものミスで奥の席を二重でご予約を承っておりました。大切な接待とのことですが、個室のお部屋でしたらすぐにでもご用意させていただきますが、いかがでしょうか②」
- 客
- 「いいですよ、個室で。でも、予算は限られてるんですけど」
- 店員
- 「ご了承をありがとうございます。③ もちろん、お部屋代はちょうだいいたしません。さっそく準備いたします。本当に申し訳ございませんでした」
①適切な謝罪を繰り返して、お詫びの気持ちを伝えている。
②潔くミスを認めて代案を提示できている。
③お客様の協力に関して感謝の言葉を入れている。
マジックフレーズ一覧
感謝と共感
会話の中に入れるマジックフレーズは「感謝」と「共感」。
「ありがとうございます」「おしゃっるとおりです」など、相手を慮る態度を示せば、誠実さを伝えることができる。
あいまいな言葉はNG
逆に使ってはいけないのが「あいまいな言葉」。
「~のはずです」「たぶん~だと思います」のような、あいまいで無責任な発言は相手の怒りを増幅させます。
クレーム対応の全技術:全32回
第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される
第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」
第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法
第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道
第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける
第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る
第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う
第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる
第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現
第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」
第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム
第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。
お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:クレーム対応の全技術