クレームは貴重な情報源
クレーマーをリピーターへ「グッドマンの法則」
お客様の生の声であるクレームには、商品やサービスの問題点だけではなく、お客様の要望や嗜好がダイレクトに反映されています。
つまり、クレームは会社にとって貴重な情報源なのです。
問題提起であると同時に、業務の改善や新商品の開発、経営課題の解決につながるヒントを与えてくれるもので、会社の財産となりうるものです。
クレームに関する有名な法則として、アメリカのマーケティング会社の経営者であるジョン・グッドマンが提唱した「グッドマンの法則」があります。
クレーマーは顧客になる可能性が高い
クレームがあった場合、企業がその問題を解決し、お客様を満足させることができれば、そのお客様がリピーターにつながる確率はきわめて高い。
クレーマーの影響力の高さ
クレーム処理に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミよりも2倍の影響力がある。
クレームを申立方法の明示が顧客の信頼を高める
「お客様窓口」を設けるなど、クレームに対する前向きな姿勢が顧客の増加につながる。
この法則からもわかるように、クレームを大切にすることは、お客様を大切にすることと同義です。
クレームを後ろ向きの仕事ととらえるのではなく、「ありがたいもの」として前向きにとらえることが、顧客をつなぎとめ、顧客増加につながるのです。
そのためには、担当者の苦手意識を軽減すること。
そこで活きるのが、クレーム対応のスキルです。
加えて、組織で対応している認識も不可欠です。
クレーム対応の担当者は、「一社員」ではなく、あくまで「会社の代表」としてのぞむこと。
決して、ひとりで解決しようとするのではなく、必要であれば、上司に取り次ぐなどして会社全体で対応をします。
お客様は担当者自身ではなく、「会社を相手に」訴えているのです。
一方、組織に求められるのは、現場の担当者が迅速に対応できるよう役割を明確にし、さらにクレーム対応で得た情報を全社で共有し、組織として活かすための風土作りに取り組むことです。
現場は会社の代表として責任を持ってクレーム対応に取り組む。
組織は情報を全社で共有、クレームを財産にする。
クレーム対応の全技術:全32回
第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される
第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」
第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法
第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道
第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける
第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る
第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う
第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる
第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現
第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」
第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム
第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム
第29回:過度な期待のもと「なかなか効果が出ない」と訴えてくるクレーム
第30回:クレームは貴重な情報源
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。
お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:クレーム対応の全技術