話が長いタイプのお客さまへのクレーム対策|話が通じない電話対応
「長くなりそう……」と思ったら受容感を高めてペース転換を
じょう舌タイプのお客様は、とにかく話したいために、ただ聞いているだけだと、話題が広がり、延々と話が続いてしまう。
最初はお客様の話をさえぎらずに聞き、話の切れ目ですかさず、「お客様」と呼びかけて、こちらのペースで話を進めるようにする。
こまめなフィードバックと感謝の言葉で、主導権を握ることがポイント。
「説明書は読んだけど、わかんないんだよね」
【Bad!】
- 客
- 「あのさぁ、僕と同様の意見とか、そっちに入ってない?」
- 担当
- 「は?①」
- 客
- 「おたくはね、世界標準っていうの、いい商品だしていると思うんだよね、結構、売り上げもいいと思うんだよね」
- 担当
- 「はあ①」
- 客
- 「たださ、いい商品出してそれで終わりっていうの、使う側の身になってないよね」
- 担当
- 「はぁ①」
- 客
- 「聴いてる? とにかく、説明書がわかりづらいっていうか、不親切っていうか、あれって、誰が書いてるのかな。意味不明だよね。僕もね、同じような商品を他社ので使ってるんですよ、どれも、説明書はおたくよりましですよ。専門用語も多いしね、本当に顧客視点じゃないよね」
①お客様の教えたがりの発言に押されてあいづちの反応しかできていない
【Good!】
- 客
- 「あのさぁ、僕と同様の意見とか、そっちに入ってない?」
- 担当
- 「お客様、何かございましたでしょうか①」
- 客
- 「おたくはね、いい商品だしていると思うんだけど、説明書がわかりづらいよね」
- (すかさず)
- 担当
- 「まずは私どもの商品へのご評価ありがとうございます① 。また、ご評価いただいているにもかかわらず、説明書がわかりづらく、ご不便をおかけしております② お客様、このお電話でもよろしければ、ご不明点をご案内させていただきたいのですが、いかがでしょうか③」
- 客
- 「あぁ、まあ、僕はわかるんだけどね、一般的には難しすぎるかなと」
- 担当
- 「貴重なご意見ありがとうございます②。同様のご指摘を受けることもございますため、随時改訂はしておりますが、まだまだ努力不足でございます。お客様、具体的には、どのあたりを工夫したらよいか教えていただくと助かりますが③、いかがでしょうか」
- 客
- 「まあ、専門用語が多いから、この辺りは気をつけると良いよね」
- 担当
- 「専門用語についてですね、ありがとうございます。この後、専門部署に申し伝え、今後に生かしていきたいと思います。ありがとうございました」
①主体的にお客様の発言を聴こうとしている
②フィードバックをともなった謝罪や共感がタイムリー
③提案も的確
クレーム対応の全技術:全32回
第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される
第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」
第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法
第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道
第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける
第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る
第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う
第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる
第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現
第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」
第25回:話が長いタイプのお客さまへのクレーム対策
第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム
第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。
お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:クレーム対応の全技術