マネジメントサポートグループ

過度な期待のもと「なかなか効果が出ない」と訴えてくるクレーム

なかなか効果が出ないと訴えてくるクレーム

企業姿勢を決めておく

■使用効果に差が出がちな商品は、事前に想定問答を作成しておく。

■担当者によって説明内容に違いが出ると、不信感を与えるので要注意。

■ヒートアップしているお客様には、まず受容の姿勢を前面に出し、解決策や回答説明の時間を前もって示す。段階を追ってわかりやすく説明する。高度なテクニックが求められるためメンバーのトレーニングが必要。

 

「サプリメントで効果が出ない、痩せない」

【Bad!】

「おたくのすっきりダウンというサプリを飲んでるんだけど、全然効果が出ないのよ。これって痩せるのよね」
担当
「こちらは健康食品で、お薬ではないので、効果効能はうたっておりません①」
「うたってないって、そもそも、すっきりダウンっていう名前からして、お客は誰でも痩せるものだと思うわよ」
担当
「いえ、痩せるのではなく、すっきりダウンの中に含まれる成分が脂肪の吸収を穏やかにするという働きがあるので……②」
「だから、痩せるのよね?」
担当
「あ、いえ、効果を言うのは法律で禁じられてますので③」
「あなたね、わけのわからないことを。客をバカにしてるの?」
【Bad point】

①強い否定語でお客様の発言を否定してしまっている。
②お客様の発言を否定しながら、説明が言い訳になっている。
③「法律で決まっている」という回答で納得させようとしている。

 
【Good!】

「おたくのすっきりダウンというサプリを飲んでるんだけど、全然効果が出ないのよ。これって痩せるのよね」
担当
「私どものすっきりダウンをお試しいただきありがとうございます。お問い合わせは、期待通りの結果が得られないとのことでございますね。ご迷惑をおかけしております①」
「そうなのよ、痩せなくてね」
担当
「お客様、1~2分お時間をいただき、商品のご説明をしてもよろしでしょうか」
「はい、いいわよ、どうぞ」
担当
「ありがとうございます。私どものすっきりダウンは健康食品でございまして、お薬のように効果という言葉を使って商品案内をすることを法律で禁じられております②」
「そうなの?」
担当
「はい、ただ、こちらに含まれております成分が脂肪の吸収を穏やかにするという働きはあります。そのため、脂っこいお食事と一緒にお召し上がりいただきますと、体内に脂肪分を排出しやすいという働きはございます②」
「じゃあ、痩せるんじゃない」
担当
「痩せる効果のある食品ではないのですが、成分の働きにより、以前より体重が気にならなくなったというお声をちょうだいすることはございます。お客様、健康食品は、バランスよいお食事のサポートと考えていただき、お食事などの際に、お召し上がりいただければと思います③」
「なるほどね、わかりました」
【Good point】

①タイムリーな感謝や謝罪の気持ちが言えている。
②お客様の問いに対して、丁寧に説明している。
③お客様の理解を促す提案ができている。

 

クレーム対応の全技術:全32回

第1回:みんな最初はクレームが怖い

第2回:お客様の「残念な思い」が怒りとなって表れる

第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される

第4回:普通の人や高齢者からのクレームが増加中

第5回:クレーム対応時にやってしまいがちな5つの間違い

第6回:クレーム対応の基本|これだけは必ず守りたい

第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」

第8回:対面でのクレーム対応

第9回:SNSに苦情投稿があった場合の対応

第10回:電話でクレームを受けたときの初期対応

第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法

第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道

第13回:対応を間違えると危険な不当クレームと対処法

第14回:難クレーム対応プロセスのポイント

第15回:クレーム対応で「対面の第一印象」を上げる方法

第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける

第17回:クレーム対応では「フィードバックスキル」が有効

第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る

第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う

第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる

第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現

第22回:「部分謝罪」と「部分共感」を使いこなす

第23回:簡潔でわかりやすい「説明の3原則」を使いこなす

第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」

第25回:話が長いタイプのお客さまへのクレーム対策

第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム

第27回:知識豊富で教えて魔タイプのお客様へのクレーム対策

第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム

第29回:過度な期待のもと「なかなか効果が出ない」と訴えてくるクレーム

第30回:クレームは貴重な情報源

第31回:クレームに強い組織になる

第32回:強行なクレームは「人」「時間」「場所」を変える|二次担当者へスムーズにバトンタッチ

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:クレーム対応の全技術