クレーム対応の基本|これだけは必ず守りたい
NG対応でお客様の怒りに火を注いでしまう
クレームを言ってくるお客様は、気持ちを押さえきれずに爆発寸前です。
「早く何とかして!」とイライラしているところに、担当者がうっかり逃げ腰になったり、不快な表情を見せると、火に油を注いでしまうことになります。
クレーム対応の最終ゴールは、お客様の怒りを静めつつ、互いの要求がせめぎあう中で、会社の方針に沿った解決策へとお客様を誘導することです。
それには、お客様と良好な関係を築き、スムーズに進められるレールを敷くこと。
具体的な5つの基本対応をあげましょう。
誠実な態度でお客様を迎え入れる
お客様が怒りをぶつけてきても目をそらさず、平常心で接すること。
無愛想な物言いや不愉快な表情はNGです。
「何かございましたか?」という共感的な表情、態度でお客様と向き合って、誠実さを示します。
声のトーンに気をつける
クレームだとわかった段階で、1段階、2段階と、だんだん表情と声のトーンを落としていきます。
急に声を落とすと、わざとらしく、不快に感じられてしまうので注意しましょう。
明るい声で謝ったり、語尾をあげたり、伸ばすのもNGです。
言葉を慎重に選ぶ
憶測ではなく、現時点でわかっていることを伝えます。
できるだけ専門用語は使わず、わかりやすい説明を心がけること。
「なるべく早く」「ダメ元ですが・・・」など、あいまいな表現や否定的な言い方は避けるべきです。
「2日後までにご返事します」のように、期限はしっかり数字で伝えます。
安請け合いはしない
解決を焦って、その場で勝手に対応策を判断しないこと。
初期段階では、まずは要点だけを聞き、改めて連絡するのが賢明。
安請け合いや確実ではない約束は危険です。
漏れなく担当者に連絡する
お客様に何度も同じ説明させないよう、クレーム内容は正確にメモし、担当部署に正しい内容を伝えます。
そして、必ず担当者からお客様に、改めて連絡を入れてもらうこと。
お客様は「早く問題を解決してほしい」と「私はもっと怒りたい」という2つの心理を抱えています。
その欲求に対して「何でもお話しください」「私は真剣に受け止めます」との“聴く姿勢”をアピールして、お客様に接することがポイントです。
初期段階でお客様と良好な関係が築けるかどうかが肝となる。
クレーム対応の全技術:全32回
第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される
第6回:クレーム対応の基本|これだけは必ず守りたい
第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」
第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法
第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道
第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける
第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る
第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う
第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる
第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現
第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」
第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム
第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。
お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:クレーム対応の全技術