クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける
「ちゃんと謝る気あるの?」と言われないために
声のトーンが決め手
■最初の挨拶は、地声より2~3音くらい高めで発声。「クレームだな」と気づいたら声のトーンをやや落としていく。
■お客様の口調や怒りの度合いにあわせて、1段階、2段階と落としていく。
■声に抑揚をつけて「あなたの話に真剣に耳を傾けています」という姿勢を表現することが大切。
「届いた商品にヒビが入っていたわよ」(カタログ販売の電話応対のケース)
【Bad!】
- 店員
- (低い第一声)「お電話ありがとうございます、グッドグリーンコールセンターです①」
- 客
- 「そちらの通販で買った絵皿、開けたらヒビが入っていたんですけど」
- 店員
- 「お客様番号はわかりますか?②」
- 客
- 「お客様番号?」
- 店員
- 「納品書に書いてある8桁の番号です②」
- 客
- (腹立たしそうに)「11323562です。ちゃんと取り換えてくれるんでしょうね。そもそも、あなた、謝る気あるの?」
- 店員
- 「はぁ、すいません。まず商品を確認してみないと、何とも……③」
①第一声の明るさやトーンチェンジがない。
②謝罪もなしにお客様番号のヒアリングに入ってしまっている。
③お客様が商品を破損させたような伝え方になっている。
【Good!】
- 店員
- (明るい第一声)「お電話ありがとうございます、グッドグリーンコールセンターです①」
- 客
- 「そちらの通販で買った絵皿、開けたらヒビが入っていたんですけど」
- 店員
- (声のトーンを落として②)
「ご購入いただいた商品にヒビが入っていたとのこと、大変ご迷惑をお掛けしております②」 - 客
- 「そうなのよ」
- 店員
- 「お客様、詳しくお話をお伺いする前に、お客様のご購入履歴を確認させていただきたいので②、納品書に記載しております8桁のお客様番号を教えていただけますか」
- 客
- 「はい、12323562です」
- 店員
- 「12323562ですね。ありがとうございます。(確認する)田中様、いつもありがとうございます③。このたびご購入いただきましたのは、有田焼絵皿でございますね」
- 客
- 「そうです」
- 店員
- 「ご購入いただきましたお皿にひびが入っていたとのことですが、もう少し、詳しく状況をお聞かせいただけますか④」
①明るい第一声で好印象を与えている
②クレームだと分かり声のトーンを変えて状況に対して謝罪し、ヒアリングに入っている。
③「名無し」の存在から「特定個人」へとお客様の扱いを変えて誘導している。
④丁寧な言葉づかいで尋問調にならないよう配慮している。
クレーム対応の全技術:全32回
第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される
第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」
第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法
第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道
第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける
第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る
第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う
第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる
第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現
第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」
第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム
第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム
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お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:クレーム対応の全技術