お客様のタイプ別クレーム対応方法

お客様のタイプ

クレームを言ってくるお客様のタイプを分類したい。

発生状況や原因、関係性が様々であるように、クレームを言ってくる利用者も多様な行動特性を持っている。

利用者の中には早口にクレームを伝えてくる人もいれば、問いかけても答えが返ってこない人もいる。

喜怒哀楽をあらわし興奮している人もいれば、理路整然と伝える人などタイプは様々である。

表現することは大の苦手とし、第三者機関を通したり、メールのみでの申告もある。

まず、クレーム応対においては、クレームの内容を把握する事は重要だが、その実際の解決へ向けた応対については、どのようなタイプの人がクレームを訴えているのかを見極めることが重要だ。

つまり、クレームをスムーズに解決するためには、お客様のタイプにより、応対方法を変える技術も必要である。

 

短気なタイプ

「昨日買ったばかりの商品にヒビが入っていた」とのクレームに担当者がお詫びに伺いたいと伝えたところ、「そんな時間はない」とますます怒らせてしまった。

短気型のお客様は、丁寧なお詫びや時間をかけて説明するより、まずは今の問題をすぐに解決して欲しいと思う人も多い。

この場合、言葉や応対は丁寧にしながらも、迅速かつ機敏な動作で対応し、解決策を先に述べる必要がある。

 

博識なタイプ

博識型で知識が豊富であるお客様に対しては「お詳しいですね」「さすがでございます」などの相槌をいれながら納得するまで話しを聞く。

これは遠回りしているようだが、スムーズな解決へと向かう手段である。

 

優柔不断タイプ

優柔不断型で決断力がないタイプは、選択肢を示したクローズド質問でポイントを絞り込み誘導する。

例えば「今すぐにお届けできる商品は、AとBがありますが、Aの方がお勧めのです」など、会話を誘導すると良い。

 

大人しいタイプ

大人しくあまり意思表示をしないお客様には、なるべく答えやすい質問を投げかける。

「恐れ入りますが、具体的な状況をお聞かせ頂けますか」など、怒りの原因をソフトに尋ね、問題点を把握する。

 

無茶な要求をするタイプ

法律や規則を無視した要求をしてくるお客様に対して、「決まりですから」「皆様にお願いをしております」と強引に主張することは避けたい。

会社の方針や理屈を伝えるときには、低姿勢に理解協力を促すお願い表現「勝手ではございますが~していただけますか」と進めたい。

 

このように、人それぞれ価値観や期待、判断の物差しがたがっているため、同じ応対方法をであっても、全てのお客様に満足を頂くことは難しい。

しかし、お客様のタイプを考えた応対をすることで、より「イエス」を取りやすくなるものだ。

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える

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