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沈黙する不満客の怖さ|サイレントクレーマー

クレーマーの種類説明画像

サイレントクレーマーとは

怖いのは、不満を表明せずに二度と買ってくれなくなる「沈黙する不満客(サイレントクレーマー)」だ。

クレームを言うには、時間や手間がかかるし、発する側は思いのほかエネルギーがいるものだ。

その上、適切な対応がされなければ、ますます不快な思いをする。

あなた自身も納得がいかない状況に遭遇したとき、「あえて言わなかった」との経験もあるだろう。

言って嫌な思いをしたくない、逆恨みをされたくない。

不満を持ちつつも、にっこり微笑んで店を後にし、もう二度と行かないと心に誓うこともあるはずだ。

ある調査によれば、不満を抱いた消費者のうち、半数以上はクレームを表明しないとの結果が出ている。

こうした沈黙するお客様が増加すると、原因不明の売上低下に陥る。

 

口コミの恐怖

さらに、抱いた不平不満をロコミで情報発信されれば、もっと怖い。

近年はSNSの進展もあり、情報はあっという間に拡散するので、より注意が必要になっている。

好感を持ってくれたお客様10人は、そのうちの3人が他の人に話をするそうだ。

一方、不満の場合には、なんと9人までもが他の人にその話をするという。

しかも、不満を感じたお客様のうち半分は、平均10人に話すという。

悪い話は、いい話の3倍以上の範囲に広がる。

沈黙する不満客の「声なき声」を聞こうとする姿勢を持つことの重要がわかるだろう。

 

クレームに感謝できるか

クレームを表明してくれたお客様には感謝したい。

会社の外側からの視点は、内部にいる者はなかなか気づけない。

 

ミステリーショッパーがおすすめ

サイレントクレーマーの本音を引き出す方法はいろいろある。

■インタビュー

■アンケート

■ミステリーショッパー調査

などが一般的である。

当社でも「ミステリーショッパー」という覆面調査でサイレントクレーマーの本音を探る分析を展開している。

たとえば複数店舗に対して、コンサルタントが一般のお客様に混じり店舗を利用し、サービスレベルをチェックする。

店舗を利用したコンサルタントが、問題点、改善点、評価点などを、お客様の視点で指摘し、サービスの向上に役立てている。

クレームを言うお客様は、まさにこのコンサルタントと同じ役割を果たしてくれる。

しかも無料である。

「ご指摘ありがとうございました」と心から感謝するべきなのだ。

 

クレームは存在していい

社内に「クレームは決して存在してはならないもの」との意識が醸成されると会社全体にとっては危険である。

「クレームはあってはならない」となれば、「出てきたクレームは隠す」と考えるのが、人間の性だろう。

従って、経営者をはじめとしたマネジメント層が「クレームに関する報告を真摯に聞く」よう努力することが大切である。

口では「よく報告してくれた」と言いつつも、上司が怖い顔や不愉快そうな態度をとれば、部下は上司がクレームの話など聞きたくないはずだと考えてしまうだろう。

上司の聞きたくないことは聞かせないのが良い部下、とばかりにクレームを報告せず隠ペいしようなどと間違った考え方をする者も出てきて当然だ。

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える