電子メールクレームの特徴|文字だけのコミュニケーションの問題点
電子メールのクレームが増加
ネット時代の昨今、当然のことながら、インターネットを通じたクレームが多くなる。
電子メールは電話やファックスより簡単に利用できるツールだが、文字だけのやりとりのため、文面にニュアンスを含めることが難しい。
ちょっとした言い回しで、良い印象も悪い印象も拡大してしまう。
悪い印象を与えると、お客様はすぐ敵にまわってしまうため、工夫が必要になる。
電子メールのクレームは、次のポイントをおさえたい。
文字だけのコミュニケーション
文字だけのやりとりであり、心の中にある気持ちを確認する手段がない。
そのため、ちょっとした言い回しが大きなトラブルに発展する可能性がある。
また、どういった感情が込められているのかわかりにくく、やり取りに慎重さが求められる。
感情がエスカレートし、ネット上で大喧嘩が始まることすらある。
しかも、ネット上のやりとりはすべて「記録」として残る怖さがある。
対応には細心の注意を図りたい。
スピードが命
ネット上の対応は速度が重要だ。
お客様は24時間電子メールを簡単・手軽に確認できる環境にある。
自分が簡単に確認できるため、「対応する側も簡単に返答が出せるはず」と勝手に思うものだ。
どこからでも出せるメールに、すばやく対応しないとお客様はさらに不満をもつ。
受信するクレーム量が多い
電子メールが簡単・手軽に出せることから、何かが起こると瞬時に、しかも大量にメールが舞い込んでくる。
迅速に対応できなければ状況を悪化させる。
着信内容をすばやく判断し、対応できるものには早く返答することが賢明だ。
差出人の宛名を「○○様」のように自動表示するシステムを活用すれば、「自分宛に回答してくれた」と好感を与えられる。
クレーム内容が多様化している
電子メールは、簡単・手軽に出せるので、クレームだけでなく、問い合わせやサービス・製品に対する意見なども舞い込む。
それぞれの内容に適した対応が必要になり、返答も多様化する。
しかし、メールで来たからといって、その返信だけで済ませようとせず、場合によっては、電話や面会などで直接話す努力も必要だ。
ネット上を対応の評価がかけめぐる
良きにつけ悪しきにつけ、クレーム対応への評価がネット上をかけめぐり、どんどん広がっていく。
悪いクレーム対応の結果が風評となり、広がる事態は何としても避けなければならない。
そのクレームが真実か否かは関係がない。
企業にとってマイナスな情報ほど、一夜のうちに拡散する可能性はある。
一度拡散してしまえば、防御できないくらい細胞分裂してしまう。
たとえば、毎日イントラネット(社内だけでみられるインターネット)上に掲載されるお客様からのクレーム情報に目を通すことで、様々なクレームにすばやく対応することができる。
インターネットを活用したマーケティングは、ネット時代の会社にとり欠くことのできないものになっている。
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。


マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える