クレーム対応で訪問する場合の注意点|アポの取り方や事前準備
クレーム対応で訪問して謝罪
訪問すれば、必ずクレームが解決するとは限らない。
しかし、クレーム対応においての訪問は、とても重要な意味をもつ。
主なメリットは、
■直接会うことで怒りや問題点を正確に把握できる
■あえて訪問する姿勢が怒りを軽減する
■身元を明かさない理不尽な人を排除できる
訪問することで、ひとまず相手へ誠意を伝えることができる。
また、お詫び訪問は、直接顔を合わせるため、電話とは伝わる熱量が違ってくる。
お怒りのお客様への訪問は誰もが億劫だが、クレームが長期化してからよりは、早い段階で「伺います」と伝えるほうがお客様にとっての心証は良い。
身だしなみ、丁寧な言葉づかい、失礼のない接客、気配りなど、第一印象が大切だ。
信頼されるよう準備をしておきたい。
■本人不在であれば名刺やメモを残す
■一回ですべてが解決しない。複数回の訪問で解決する覚悟が大切
■解決最優先の姿勢が重要。スピード重視なので作業着やユニフォームでも構わない
■原因や経過の報告は、改めてきちんとした服装に着替えていくこと
ここで訪問する際の確認事項を明確に考えておきたい。
謝罪訪問の事前準備と流れ
事前に役割分担を決めておく
単独の訪問よりも上司と同行して謝罪に向かうことが多い。
同行する人物と訪問の際の流れや役割分担を打ち合わせておく。
お互いに相手に任せようと思っていることもある。
謝罪の場で慌てることのないよう、綿密に打ち合わせておきたい。
打ち合わせのポイントは、以下の通り。
■お客様の情報収集
■今までの類似クレームの解決策
■会社としての解決策
■受け入れられないときの代案
■今後の会社としての改善策
手土産を用意する
謝罪の際、手土産を用意するのは基本である。
お客様によっては、頑として受け取らない方もいる。
ポイントは、帰る間際に渡すこと。
訪問してすぐに手渡すと「これで許してください」という意味にもとらえられる。
必ず面談が終わったときに渡すようにする。
また、クレームのお詫びとして渡すものではない。
手土産は時間をとっていただいたことに対し、感謝の意味で渡すものだ。
「本日はお時間いただきありがとうございました。よろしければ、皆様で召し上がっていただけますでしょうか」と何か言葉を添えて渡したい。
必ず訪問の約束を取り付ける
謝罪訪問の際は必ずアポイントメントをとる。
予約がないまま出向くと、逆に更なる怒りを買うことにもなりかねない。
「相手の都合を優先」させ、是非会って謝罪の意図を伝えたいと勇気を持って伝える。
アポイントメントが取れたら「ありがとうございます」と感謝の言葉を忘れずに伝えよう。
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。
お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える