クレームを引き起こす4つの要因
顧客満足とクレーム
「顧客満足」という言葉を耳にしたことがあると思う。
作れば売れた時代から、物余り・作っても売れない時代へと変化した今は、会社優位から「顧客優位」へと変わらなければ生き残ってはいけない。
企業はお客様に選ばれるため、いろいろな施策に取り組んでいる。
いわゆる「顧客満足経営」である。
この顧客満足経営は、20年程前に欧米から入ってきた経営手法のひとつだ。
一般的に顧客満足を実現する要因は
■サービス力
■価格力
■ブランド力
の4つに大別される。
消費者の視点で考えた場合、状況により優先順位は変化するものの、いずれもが重要であることは理解できるはずだ。
従って、この4つの要因が確立できていないと、クレームに発展するリスクが高まる。
クレームの4大原因
一般的にクレーム原因の上位は次の4つになる。
製品品質不良
商品の欠陥や不足、サイズや色が違うなどの問題。
賞味期限切れや破損、約束時間を守らないこともこれに該当する。
接客態度のまずさ
無愛想だった、ものの言い方が横柄、態度・言葉遣いがぞんざい、たらい回しにされたなどの人によるクレーム。
社内ルールの押し付け
返品したいお客様に対して「当社ではレシートがない場合返品はできない」「駄目・無理・決まり・システム」などの会社都合、ルールの押し付け。
お客様の勘違い・不注意
言った言わないの勘違いは、企業側の説明の仕方や配慮のなさから起こるもの。
クレームはお客様からの問題提起
クレームは、お客様からの問題提起だ。
この解決支援は、企業のサービス品質向上に直結する。
永久顧客の約4割近くが、その発端はクレームの応対方法にあったと回答している。
社員と企業が真摯に誠実に要望を聞き、解決に向け応対したため、たとえ要求が100%受け入れれなくても、改めて企業のファンになってくれたのだ。
まさに、起こしてしまった事実にどう対応するかで、非難されるか、ロイヤルカスタマーになるかが決定される。
クレーム発生の初期段階で、いかに問題を大きくしない応対が出来るかが重要なのだ。
クレームは年々増加し、複雑化する
お客様からのクレームは年々増加、深刻化していることから、危機管理体制のひとつとして、専門の受付部門を設置する企業が急増している。
消費者センターへ寄せられたクレームの件数は昭和44年当初、5千件程度だったものが平成18年度は13万7千件に跳ね上がっている。
その内容も大変複雑化し、企業として真摯に受けとめなければならないことや聞き流しても良いことなどの見極めが難しくなっている。
クレームは組織にとっても担当者にとっても避けて通りたくはあるが、視点を変えればお客様からの問題提起だ。
見過ごした誤りや企業本位の仕事の進め方への警告と解釈できよう。
「クレームのない企業は成長しない」のであり、クレームは組織に対するメッセージである。
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。
お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える