クレーム対応力をセルフチェック
二次クレームに発展させない対応
クレーム対応で大切なことは「二次クレームに発展させないこと」だ。
起きてしまっている事から逃げずに、前向きにとらえ、それ以上に発展させないことが重要である。
お客様からの問題提起であるクレームを真摯に聞き誠実に向き合えば、お客様も納得する場面が多くなるだろう。
二次クレームとは本来のクレームではなく、稚拙な応対やたらい回しなどの対応、後手などにより引き起こされた新たなクレームのことだ。
最初は小さな不満だったはずのことが、たちまち大きくなってしまう。
そうなってしまったら、解決がいっそう難しく厄介になる。
お客様はマイナスの心理状態いわば感情的・わがままになっていることを理解し応対に向かいたい。
初期段階はお客様の話を真摯に聞き、慎重に応対することが大切だ。
今回は、自分のクレーム応対スキルを確認してほしい。
クレーム応対スキルチェック
「はい」が11個以上あった読者は最低限のクレーム応対スキルが備わっているといえよう。
10個以下ではクレームに対する基礎体力がまだ不足している。
クレーム対応は経営トップの考え方が重要
クレームはマニュアルさえあれば解決できる単純なものでもない。
応対方法は組織や経営方針にかかわると同時に、お客様に対する考え方も色濃く反映される。
つまり、経営トップの考え方、上位者の考え方がもっとも重要である。
社員教育では、クレーム応対の心構えや応対スキルシステム構築、具体的な解決方法にいたるまで、さまざまな相談をうけてきたが、残念ながら上位者や現場の者の危機意識の欠如が多く見受けられる。
「お客様の話をしっかり聞きながら、臨機応変に応対しなさい」や「会社として出来ることと出来ないことをしっかり伝えなさい」などの抽象的・曖昧な指示、また判断も個人任せでは限界があり、お客様の納得度も満足度も期待することは難しい。
お客様の「困った」の声に適切な情報を提供していくことは、顧客満足の具体的な取り組みとして非常に重要である。
社員がお客様との「マイナスの出会いの瞬間」を「お客様との信頼関係を結ぶための貴重な出会い」として再構築するためには、組織としての明確な判断基準が要求される。
ご質問・疑問点などあればお気軽にお問合せ下さい。
お問合せはこちらマネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。
出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える