マネジメントサポートグループ

おもてなしとは日本に息づく文化と精神です。

おもてなし

「おもてなし」とは

私たちの行っている研修で「おもてなしって、どんなことでしょう」と聞くと、「お客様に歓迎の意を表すこと」「感動を与えること」「お客様を大切にすること」など、さまざまな答えが返ってきます。

おもてなしに「正解」はないかもしれません。

でも、私たちはこう考えています。

おもてなしとは、「お客様が心地よく過ごせるように心を込めて準備し、最大限の歓迎の気持ちを持って応対すること」

そこには、相手を思いやる日本人の気質や文化が息づいています

例えば茶道を考えてみましょう。

亭主がお客様を招くとき、お茶席に掛け軸を掛けて花を飾り、心を込めた食事やお茶を用意します。

そして、お客様がいらしたら、心地よく過ごせるよう、食事の出し方やタイミングにも細かく気を配ります。

茶人、千利休も常々「お客様がいついらしても歓待できるように準備し、お客様がいらしたらその様子に合わせてもてなすように」と言っていたそうです。

相手のことをよく考え抜いて、行動する。

それが、私たちが文化として受け継ぎ、精神として持っている日本らしさといえるのではないでしょうか。

ある老舗のレストランで、料理の写真を載せた外国語のメニューリストをつくりました。

これなら海外からのお客様が来店しても、スムーズに料理を選んでいただけます。

お客様が困らないように事前に準備するのも、おもてなしの第一歩です。

相手を気遣う時の作法に「マナー」があります。

おもてなしと似たイメージがありますが、マナーは「相手に失礼のないように、最低限身につけておくべきルール」です。

おもてなしは、「もてなす側の心の表れ」。

お客様に失礼にならないようにするのではなく、お客様がどんな気持ちでいるか、居心地は悪くないかと考えながら、行動することなのです。

 

おもてなしにはデータも重要

おもてなしにはデータも重要

おもてなしをするには、お客様の気持ちやお困りごとは何かを察する「感性」が大切です。

感性を働かせるといっても、ただ研ぎ澄ませていればいいわけではありません。

あわせて取り入れたいのが「データ」です。

日本では昔から、データを上手に使って、おもてなしをしてきました。

江戸時代、参勤交代を行う大名は、各地にある本陣に泊まりながら江戸を目指しました。

お殿様を迎える本陣の人々は、粗相がないように食事や食器など、お殿様の好みを事前に調べ上げて、その情報(データ)に基づいてもてなしたそうです。

これは、現代でも同じです。

会社や店舗には、これまでにお客様から寄せられた要望、クレームなどがデータベース化されていませんか。

データベースになっていなくても、お客様への対応を重ねた経験が蓄積されているでしょう。

このようなデータも、おもてなしの基になります

例えば、アパレルショップにリピーターのお客様が来店されたとします。

そのお客様が赤い服が好きなことがわかっていれば、その季節におすすめの赤系の服を紹介することができます。

以前に赤いトップスを購入されたデータがあれば、あなたの感性を生かして、そのトップスに合うボトムスをおすすめすることもできますね。

このようにおもてなしには、感性を生かすだけでなく、データを上手に活用することが大切なのです。

 

要望はお客様に聞いてしまう

要望はお客様に聞いてしまう

お客様から寄せられた要望やクレームに基づくデータがあると、お客様のお困りごとも、ある程度は推察できます。

データを駆使してお客様の要望をすべて察し、先回りしておもてなしができればそれに越したことはありません。

ただ、データは重要ですが、万能ではありません。

お客様に応対する現場では、さまざまな状況が生まれるからです

例えば梅雨の終わりにお客様がいらっしゃったとき、冷たいお茶をお出しすべきか、温かいお茶をお出しするのか迷うことはありませんか。

梅雨どきは、1日中ムシムシする日もあれば、ひんやりする時間もあります。

その日の気温によってルールを決めている企業もあるかもしれませんが、暑いか涼しいかという感じ方は人によって違います。

その日の体調によっても、飲みたいものが変わることもあるでしょう。

この場合は、データやルールに頼らず「冷たいお茶がよろしいですか?温かいものになさいますか?」と聞いたほうがお客様の気持ちに寄り添えます。

石田三成がまだ寺の小姓だった頃、寺に立ち寄った豊臣秀吉を3杯のお茶でもてなした「三献茶」の挿話は有名です。

今でも緑茶で喉を潤していただいてから、コーヒーに差し替える湯茶サービスを行っている企業があります。

ただ、どうしたらいいかわからなければ「何かお困りのことはありますか」「お手伝いいたしますか」とお聞きする

これが、お客様の不安や不満を解消することにつながります。

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:簡単だから伝わる!語学力要らずの3ステップおもてなし術