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第24回:クレームを貴重な資産として活用

企業に対する貴重な「情報」であるクレームは、漠然としているのも事実であり、入ってきた情報を明確にし、的確な回答をするためには論点整理をする必要がある。

 

ある配電盤メーカーの事例をご紹介する。

中小企業では、高いコンサルタントをつけて商品開発部門などに大きな投資が難しい。この会社ではクレームを製品改良に結びつけるため月に2回「クレーム情報活用会議」をしている。生産、技術、営業、総務のリーダーと社長が集い製品改良にクレームを活かしている。クレーム応対が完了した時点で、営業が自社作成の「お客様ご要望リスト」の評価基準にのっとりチェックをする。規定の数値以下になった項目は、自動的に技術部門にシフトし改良のための分析をする。このような作業を月に二度行い、改善に結びつけている。応対のみに終わらせないまさにクレームを資産として活用している事例だ。

 

クレームを言ってくる利用者にも二通りのパターンがある。最初から二度と使わないことを前提に理不尽な言い分を一方的に言ってくる利用者。またはその企業の大ファンであるがゆえのリクエストやメッセージを伝えるファンがいる。どちらのタイプなのかの見極めが重要である。何かあっても沈黙する利用者が9割、伝えてくる利用者が1割というデーターもある。

人の価値観・期待・要望は千差万別である。そのため「思っていた商品と違う」「思っていたほど効果がでない」などの価値観、イメージの差異による問題がどうしても発生する。だからといって開き直るわけにもいかない。クレームから商品開発のヒントが得られ、売り方のシステムが正しいかが判断できる。

その他販売行動、配送システム、適正在庫、広告や情報の提供方法の仕方、ひいてはクレーム応対の仕組みが適正なのか、いろいろなことが判明するきっかけとなる。

またこの価値観のズレから発生したクレームを元に商品開発をし、ヒット商品を創り出した例は無数にある。

 

たとえば「折りたたみ傘をカバンにしまったら資料が濡れてしまった。いちいちカバーを付けるなんて面倒だ」というクレームから、超撥水傘が開発された。一振りしただけで、水が弾き、水滴は一切残らない。

また「窓に合うサイズのカーテンがない。」というクレームからフリーカットカーテンが開発された。自分で好みのサイズにカットでき、どこを切っても糸がほつれない生地を使用している。

シャンプー、リンスなど同型のボトルにギザギザをつけることで目をつぶっていても判別できるように工夫した。ある飲料メーカーでは、粒粒が自慢のコーンスープの販売したが、「粒が中々出てこなくて飲みにくい」、という苦情に対して飲み口を大きくしスムーズに粒が出るよう改善した。

このようにクレームは大きなビジネスチャンスをつかむことができる重要な情報源なのだ。

出典: 日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える




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