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第16回:沈黙する不満客の怖さ

怖いのは、不満を表明せずに二度と買ってくれなくなる沈黙する不満客(サイレントクレーマー)だ。

 

クレームを言うには、時間や手間がかかるし、発する側には思いのほかエネルギーがいるものだ。そのうえ、適切な対応がされなければますます不快な思いをすることになる。自分自身も納得がいかない状況に遭遇したとき、「あの時は、言わなかった」という経験もあるだろう。

 

言って嫌な思いをしたくない、逆恨みをされたくない。不満をもちつつも、にっこり微笑んで店を後にし、二度と行かないということも多々あるはずだ。ある調査によれば、不満を抱いた消費者のうち半数以上は、クレームを表明しないという結果が出ている。こうしたお客様が増加すると、原因はまったくわからないのに売上が低下する、という事態におちいる。それだけでも恐ろしいことだが、さらに抱いた不平不満をロコミで情報発信することになればもっと怖い。

 

不満を感じたお客様のうち半分は平均10人に話すという。好感をもった人が10人いれば、そのうちの三人が他の人に話をするそうだ。不満の場合には何と九人までもが他の人にその話をするという。悪い話は、いい話の三倍の範囲に広がる。

 

沈黙する不満客の「声なき声」を聞こうとする姿勢をもつことは重要である。また、クレームを表明してくれたお客様には感謝したい。会社の外側からの視点というものは、内部にいる者にはなかなか気づけない。

サイレントクレーマーの本音を引き出す方法はいろいろある。

  1. インタビュー
  2. アンケート
  3. ミステリーショッパー調査

などが一般的である。

 

当社でも「ミステリーショッパー」という覆面調査でサイレントクレーマーの本音を探る分析を展開している。たとえば複数店舗に対して、コンサルタントが一般のお客様に混じり店舗を利用し、自社のサービスレベルをチェックするというものだ。店舗を利用したコンサルタントが、問題点、改善点、評価点などお客様の視点で指摘し、サービスの向上に役立てている。クレームを言うお客様は、まさにこのコンサルタントと同じ役割を果たしてくれる、しかも無料である。「ご指摘ありがとうございました」と心から感謝を言うことにも納得がいく。

社内に、「クレームは決して存在してはならないもの」という意識が醸成されると会社全体にとり危険なことになる。「クレームはあってはならない」となれば、「出てきたクレームは隠す」と考えるのが、人間の性だろう。従い、ささいなことだが、経営者をはじめとした上司が「クレームに関する報告を真摯に開く」よう努力することが大切である。

 

口では「よく報告してくれた」と言いつつも怖い顔や不愉快そうな態度を上司がとれば、部下は上司がクレームの話など聞きたくないと考えてしまうだろう。上司の開きたくないことは聞かせないのが良い部下、とばかりにクレームを報告せず隠ペいしようなどと間違った考え方をする者も出てきて当然だ。

出典: 日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える




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