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第9回:今起きている問題を明確に

良好なスタートをきった後は解決のための「問題に焦点を当てる」流れだ。

 

今、起きてしまっている実際の被害に対し、弁償・弁済しなければならない状況の把握、お客様の目的や問題を明確にする場面だ。
クレームを言うお客様は、必ずしも要望や状況を的確に伝えられるわけではない。
感情的な言い方や曖昧な表現であっても、的確に焦点を絞れる聴く力と、お客様の怒りを鎮める共感力がスキルとして必要になる。

クレームは、起きてしまった事実問題だけではなく、お客様の個人的な事情や気持ち・感情までもが複雑に絡んでいる。
自分のさまざまな思いや状況を受けて止めてほしいと誰もが思っている 。その心情問題に目をそむけるわけにはいかない。

 

クレーム応対とは問題解決の手助けである。
何を解決しなければならないのか。そこには2つの課題がある。

1.「事実問題」

→早急に解決してほしいと思っている、今起きてしまっている事態。会社として弁償・弁済すべきことである。

2.「心情問題」

→感情的な問題であり、被害を受けたお客様の不満・不安だ。この商品を使ったためにこんな目にあった、という感情を暴露したい気持ちである。

 

クレームとは、会社側として回答・解決すべき約束ごとと、お客様の勝手な要望・感情をごちゃまぜにしてぶつけられるものだ。

お客様が訴えてくる事実問題のほうが重要で大きく聞こえてきてしまい、実は大切な感情問題に対しては「まったくうるさいやつだ」「そんな言い方をしなくても・・」と聞き流されてしまう傾向が高い。

お客様の心情問題をもきちんと受け止めることが、お客様の立場に立った対応になる。
要は、心情的な問題に対しての解決策が先決だ。
この心情的な問題への解決策は「受容と共感」で対処したい。

受容と共感を活用することで、お客様の怒りの感情は徐々にボルテージが下がり、次の解決策への誘導に移りやすくなる。
そして、お客様の怒りを鎮め冷静なものに移行させ、お客様自身の問題解決能力を引き出すことができる。お客様の望むことの第一は「まず謝ってほしい」ということだ。感情を解きほぐすことから始めたい。
お客様が困っている状況を真剣に受け止め「何とかしたい」という気持ちを自分の言葉で伝えていく。
これによりお客様が持つ不満の感情をクールダウンし、こじれた問題を整理することができる。

 

受容・共感の実際:「料金ちゃんと払ったのに指定時間に届かないなんて不愉快だ、忙しいのに待ってるんだぞ
⇒「お忙しいところわざわざ時間をとって頂いたのに、申し訳ございません」

 

「何が理由かわからないが、連絡ぐらいするべきだ」
⇒「ご連絡もせずお待ちいただいたことは私どもの不手際でした。申し訳ございません」

 

謝罪はしても「申し訳ございません」の同一語のみの使用では相手の気持ちの浄化は難しい。
お客様の抱える問題に焦点を当てることで、抱えている問題を明確にし、どのような解決策が妥当であるかを見立て、またお客様の不満の感情を浄化させ、こじれた問題を整理するスキルを活用したい。

出典: 日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える




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