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クレームを宝に変える

第4回:クレームは前向きに捉えたい

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 クレームは「お客様からの貴重な情報源」であり、会社や担当者では把握しづらい現場の問題や商品課題などがたくさん含まれている。しかも、クレームを申告する人が1割、申告しない人が9割というデータもあることを考えると、クレームは、不満を申告しないで会社・店離れをしてしまうサイレントクレーマーの声も代弁しているわけだから、クレームをいかに活用していくかが、企業に課せられた大きな課題であろう。クレームを大切にするということは、それを申し出たお客様を大切にするということにほかならない。
 しかし、実際はクレームを受けた瞬間「ありがたい」「今日はラッキーな日だ」と思う人はいるのだろうか。誰しも、電話に出た瞬間、お客様を出迎えた瞬間、クレームに遭遇するとたちまち「嫌だなぁ」「私の担当ではないのに」などと、逃げたい・避けたい心理に変化するものだ。なぜクレームを前向きに受け取れないのか、少し考えてみたい。

納得のいかない怒りを突然ぶつけられる

 いきなり第三者から文句を言われることに誰しもビックリし、困惑する。ましてや相手が感情的であり、攻撃的な言い方であればなおさらだ。他人から理不尽なことを突然言われるなど、日常生活ではなかなかありえないことだから、怒りに対して萎縮してしまいパニックを起こし、冷静に解決策を提示することが難しくなってしまう。本来平常心であれば、知識もありしっかりと回答することが出来ても、窮地に陥った瞬間、人は冷静さを失ってしまうものだ。

トラウマになる

 人は一度嫌な経験をすると、新たな心構えでクレームに臨むことが出来にくくなる。「あんなに一生懸命応対したのに駄目だった」「私にはうまく応対は出来ない」とあきらめ感に変わってしまう。または逆に「今度こそ負けないぞ」と攻撃的に出てしまうケースもあるだろう。

解決方法が曖昧で回答ができない

 よくあるクレームは、誰でもが対応できるように解決方法を明確にしておきたい。またその方法は誰が回答しても同じ内容として標準化されていなければ、二次クレームに発展することにもなる。組織として迅速な対応をするにはどうすればいいのか、日ごろから明確に決めておきたい。「臨機応変に対応しなさい」といわれてもどうしたらよいかわからず曖昧に答えてしまったり、担当者が戻ってから回答しようとそのままになってしまうこともある。

円満にすっきりと解決しない

 顧客は自分の要望が受け入れられない場合、すっきりとした気持ちで「ありがとう、助かりました」と納得はしない。クレームの難しさは、顧客の要望と企業側の提案にズレがあるということだ。応対者として会社の方針・解決策を提案してもなかなか受け入れられず、最終的に問題が解決したとしても、捨て台詞をもらってしまう。応対者としてどんなに頑張ったとしてもこれでは気分が晴れないはずだ。

 

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える

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