コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム

コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム

お客様の要望を“聴く”姿勢が大切

■大切なのは、お客さまの要望への共感を示すこと。その上で、企業が遵守すべき基本姿勢を伝えるようにする。「**様の立場であれば」と相手を尊重する言葉がカギ。

■「お客様の立場への理解」を言葉で示してから、「お願いできないでしょうか」と協力を求める。

 

「主人の生命保険の契約内容を教えて」

【Bad!】

担当者
担当者
申し訳ございませんが、ご本人様でないと契約内容についてはお知らせできないのです
客
何でダメなの?主人が保険の見直しをしたいので、契約内容を確認しておけって言ってるんだし、保険の受取人は妻の私なんだから、教えてくれたっていいじゃない
担当者
担当者
そうおっしゃられましても、保険の内容については個人情報となりますから①
客
個人情報って私は家内よ。妻が内容を聞いて保険についてどうこうしようとしてるって言うわけ?
担当者
担当者
いえ、まさかそんなことは申し上げておりませんが…

【Bad point】

①正論を一方的に言い放って終わらせようとしている。

【Good!】

担当者
担当者
申し訳ございませんが、ご本人様でないと契約内容についてはお知らせできないのです
客
何でダメなの?主人が保険の見直しをしたいので、契約内容を確認しておけって言ってるんだし、保険の受取は妻の私なんだから、教えてくれたっていいじゃない
担当者
担当者
たしかに奥様のお立場であれば①、ご主人様からのご依頼ということもあり、私どもからのお断りにご納得いただけないお気持ちは当然のことでございます②
客
当たり前よ
担当者
担当者
ですが、お客さま、大変申し訳ないのですが、たとえ奥様のご依頼であっても、私どもではご契約内容はお伝えすることが出来ないことになっております②
客(普通)
客(普通)
そうなの?困ったわね
担当者
担当者
お客さまの個々のご契約内容をお守りすることが保険会社の信頼と考えております。何卒、ご主人様から直接のご連絡をお願いできないでしょうか②
客(普通)
客(普通)
仕方ないよね。わかりました。帰って主人に話してみます
担当者
担当者
恐れ入ります。ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします

【Good point】

①お客様の立場に共感して寄り添っている。
②企業としての姿勢を明確に伝え、理解を促している。

 

クレーム対応の全技術:全32回

第1回:みんな最初はクレームが怖い

第2回:お客様の「残念な思い」が怒りとなって表れる

第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される

第4回:普通の人や高齢者からのクレームが増加中

第5回:クレーム対応時にやってしまいがちな5つの間違い

第6回:クレーム対応の基本|これだけは必ず守りたい

第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」

第8回:対面でのクレーム対応

第9回:SNSに苦情投稿があった場合の対応

第10回:電話でクレームを受けたときの初期対応

第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法

第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道

第13回:対応を間違えると危険な不当クレームと対処法

第14回:難クレーム対応プロセスのポイント

第15回:クレーム対応で「対面の第一印象」を上げる方法

第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける

第17回:クレーム対応では「フィードバックスキル」が有効

第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る

第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う

第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる

第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現

第22回:「部分謝罪」と「部分共感」を使いこなす

第23回:簡潔でわかりやすい「説明の3原則」を使いこなす

第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」

第25回:話が長いタイプのお客さまへのクレーム対策

第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム

第27回:知識豊富で教えて魔タイプのお客様へのクレーム対策

第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム

第29回:過度な期待のもと「なかなか効果が出ない」と訴えてくるクレーム

第30回:クレームは貴重な情報源

第31回:クレームに強い組織になる

第32回:強行なクレームは「人」「時間」「場所」を変える|二次担当者へスムーズにバトンタッチ

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。


出典:クレーム対応の全技術

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