クレーム対応では「フィードバックスキル」が有効

クレーム対応でのフィードバックスキル

フィードバックスキルで良好な会話を展開する

お客様の発言、気持ち、状況を受け入れる

■クレームを言ってくるお客様は、主観的で感情的になっているため、「聴く」レベルが極端に低下している。こちらから「お客様の訴えをちゃんと聴いています」というサイン(=フィードバック)を示す

■フィードバックすることで、お客様の状況を具体的に理解できる

 

「10時に修理の人が来るって言ってたのに来ないんだけど」(家電量販店のケース)

【Bad!】

「テレビの修理をお願いした斉藤です。修理の人がまだ来ないんですけど」
店員
「お電話をいただいたのはいつですか?①」
「1週間くらい前ですけど」
店員
「すいません、正確にはいつでしょうか?②
フルネームをお願いします」
「斉藤友子です、そちらにメモ残ってないの?」
店員
「あぁ、ありました。お客様、ご住所は?」
「北町1-25です。先日、全部伝えましたけどね」
店員
「すいません、北町でしたら、おそらく国道が混むので遅れてるんだと思います。月末にはよくあるんですよ③」
「何よ、その言い方。どういう状況か、わかってるの? もう30分も待ってるのに、遅れるなら電話ぐらいしなさいよ」
店員
「すいません、担当の者と連絡をとってみますので、もう少しお待ちください」
「だから、もう少しっていつなのよ! まったく、どうなってるの?」
【Bad point】

①お客様の発言を受け入れずに質問をしている
②「すいません」と友達言葉で謝罪
③言い訳や一方的な対策ばかりでお客様の発言や不安を受け入れる姿勢が乏しい

【Good!】

「テレビの修理をお願いした斉藤です。修理の人がまだ来ないんですけど」
店員
「斉藤さま、修理をご依頼いただいたのに、到着が遅れているとのこと、お待たせして申し訳ございません。確認いたしますのでお待ちください。①」…(短い保留)…お待たせいたしました。1日にお電話いただいた北町の斉藤様でございますね。① このたびは大変申し訳ございません。② ただいま工事の者が向かっておりますが、道路が渋滞しているようで、あと15分程度お待ちいただけますでしょうか?③」
「遅れるなら言ってもらわないと。10時だっていうからずっと待ってるんですよ」
店員
「遅れる旨、ご連絡すべきところ、担当の者から連絡がいっておらず、誠に失礼いたしました②」
「まぁ、たしかにこの時期、国道25号はおそろしく混みますけどね」
店員
「国道25号は渋滞が多いところなのですね。事前の確認不足もありまして、ご迷惑をおかけしております。」
「わかりました。じゃあ、もう少し待っています」
店員
「ご理解ありがとうございます。今しばらくお待ちください」
【Good point】

①お客様の発言をフィードバックして受け入れて謝罪にむすびつけている
②丁寧な言い方で的確な謝罪を述べている
③解決策を具体的に提示して、お客様に安心感を与えている

 

クレーム対応の全技術:全32回

第1回:みんな最初はクレームが怖い

第2回:お客様の「残念な思い」が怒りとなって表れる

第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される

第4回:普通の人や高齢者からのクレームが増加中

第5回:クレーム対応時にやってしまいがちな5つの間違い

第6回:クレーム対応の基本|これだけは必ず守りたい

第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」

第8回:対面でのクレーム対応

第9回:SNSに苦情投稿があった場合の対応

第10回:電話でクレームを受けたときの初期対応

第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法

第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道

第13回:対応を間違えると危険な不当クレームと対処法

第14回:難クレーム対応プロセスのポイント

第15回:クレーム対応で「対面の第一印象」を上げる方法

第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける

第17回:クレーム対応では「フィードバックスキル」が有効

第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る

第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う

第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる

第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現

第22回:「部分謝罪」と「部分共感」を使いこなす

第23回:簡潔でわかりやすい「説明の3原則」を使いこなす

第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」

第25回:話が長いタイプのお客さまへのクレーム対策

第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム

第27回:知識豊富で教えて魔タイプのお客様へのクレーム対策

第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム

第29回:過度な期待のもと「なかなか効果が出ない」と訴えてくるクレーム

第30回:クレームは貴重な情報源

第31回:クレームに強い組織になる

第32回:強行なクレームは「人」「時間」「場所」を変える|二次担当者へスムーズにバトンタッチ

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。


出典:クレーム対応の全技術

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