簡潔でわかりやすい「説明の3原則」を使う|わかりやすいクレーム対応

簡潔でわかりやすい「説明の3原則」

「あなたの言ってること、全然わからない」と言われないために

お客様への提案は「3原則」を使ってわかりやすく

①時間を明確に

②結論を先に

③数字で表現する。

この「説明の3原則」を意識する。

クレーム対応の最終段階は、こちらが提案する解決策へお客様を誘導すること。

その際、専門用語を多用したり、早口の説明はNG。

お客様が混乱して、再び感情が悪化する恐れがある。

説明や提案は、短くまとめ、具体的にわかりやすく話す。

 

「担当者の態度や言葉づかいが失礼だった」(携帯電話ショップでのケース)

【Bad!】

客
おたくの窓口担当者、ひどすぎるわよ
担当者
担当者
どのような状況でしたか①
客
新しい機種への交換は30分くらいって言ったのに1時間以上もたっているのよ。何でこんなにかかるかのか理由は言わないし、説明もわかりづらいし
担当者
担当者
不愉快な状況で申し訳ありませんでした②
客
一体どういう教育しているのよ
担当者
担当者
教育していないわけではないんですけども。今後、二度とないよう③にきつく注意しておきますので
客
あなたの言い方じゃ信用できないわね。ちゃんとやってくれんの?

【Bad point】

①謝罪がなく、いきなり質問している。
②お客様の不満の投げかけをマジックフレーズだけで流している。
③「二度とないよう」といった不確かな約束をしている。

【Good!】

客
窓口の担当者ひどすぎるわよ
担当者
担当者
担当がご不快な思いをさせて申し訳ございませんでした①。ご迷惑をおかけしている状況を教えていただけますか
客
新しい機種への交換は30分くらいって言ってたのに1時間以上もたっているのよ。何でこんなにかかるかの理由は言わないし、説明もわかりづらいし
担当者
担当者
時間を守らないばかりか、ご案内も不適切であったとのこと。お客様の立場であればお怒りはごもっともでございます
客
そうでしょう。一体どういう教育しているのかと思ったわ
担当者
担当者
お客様、今後の私どもの対応について、1~2分だけ② お時間いただいてもよろしいでしょうか
客(普通)
客(普通)
かまわないけど
担当者
担当者
ありがとうございます。ご指摘いただきました点、私、田中が責任もって担当者に伝え指導させていただきます。重ねて同様のご迷惑をお掛けしないためにも、明日の朝礼では全体に周知し、窓口の今後の課題とさせていただきます③。このような対応を進めたいと考えておりますがいかがでしょうか
客(普通)
客(普通)
そうね。じゃあ、お願いしますね
担当者
担当者
ご迷惑をおかけしているにもかかわらず、ご快諾いただきましてありがとうございます

【Good point】

①お客様への謝罪と共感を、フィードバックしながら実践できている。
②呼びかけや時間の提示をしながら今後の対応を切り出している。
③今後の対策内容が具体的かつ短い文章でわかりやすい。

 

わかりやすい話し方の3原則

わかりやすい話し方の3原則は「時間を明確にする」「結論を先に出す」「数字で表現」です。

時間を明確にすることで、不安を取り除きます。

また、結論を先に出すことで、お客様が判断しやすい状況を作ります。

そして、記憶に残りやすい数字でメッセージを強くします。

わかりやすい話し方の3原則説明画像

クレーム対応の全技術:全32回

第1回:みんな最初はクレームが怖い

第2回:お客様の「残念な思い」が怒りとなって表れる

第3回:クレーム原因は「品質不良」「接客態度」などの4つに集約される

第4回:普通の人や高齢者からのクレームが増加中

第5回:クレーム対応時にやってしまいがちな5つの間違い

第6回:クレーム対応の基本|これだけは必ず守りたい

第7回:クレーム解決のステップは「マナー」「聴く力」「話す力」

第8回:対面でのクレーム対応

第9回:SNSに苦情投稿があった場合の対応

第10回:電話でクレームを受けたときの初期対応

第11回:電子メールでのクレーム対応|LINEやメッセージアプリ対応法

第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応がクレーム解決への早道

第13回:対応を間違えると危険な不当クレームと対処法

第14回:難クレーム対応プロセスのポイント

第15回:クレーム対応で「対面の第一印象」を上げる方法

第16回:クレームの電話対応では「声のトーン」に変化をつける

第17回:クレーム対応では「フィードバックスキル」が有効

第18回:柔らかい印象になる「クッション言葉」を使ってクレームを乗り切る

第19回:クレームは感情を逆なでする「否定表現」ではなく「肯定表現」を使う

第20回:「よろしかったでしょうか」「なるほど」「了解」はお客様を苛立たせる

第21回:「マジックフレーズ」でクレームに対応|誠実さの表現

第22回:「部分謝罪」と「部分共感」を使いこなす

第23回:簡潔でわかりやすい「説明の3原則」を使いこなす

第24回:クレームのゴールに向けての必須スキル「語尾の依頼形」

第25回:話が長いタイプのお客さまへのクレーム対策

第26回:コンプライアンス無視で無理難題を言ってくるクレーム

第27回:知識豊富で教えて魔タイプのお客様へのクレーム対策

第28回:お客様に問題があるのに無理難題を言ってくるクレーム

第29回:過度な期待のもと「なかなか効果が出ない」と訴えてくるクレーム

第30回:クレームは貴重な情報源

第31回:クレームに強い組織になる

第32回:強行なクレームは「人」「時間」「場所」を変える|二次担当者へスムーズにバトンタッチ

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。


出典:クレーム対応の全技術

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