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クレーム対応の全技術

第14回:難クレームへの対応プロセスでのポイント

道義的、法的にはどうか

 難クレームへの対応の各段階で、どんなことに注意すべきか、ポイントを整理しておきましょう。

①クレーム申告の内容の聞き取り段階でのポイント

 クレーム申告の内容を正確に聞き取る。事実か、感情(不満、不快、失望、怒り)か、意見か、要求かを見極める。
 メモをとり、この段階で不用意に約束しない。

②事実確認でのポイント

 事実確認は徹底的に。事実確認が不明確な場合は、経緯をきちんと説明できるかどうかを確認。

③要求内容の検討でのポイント

 事実確認に基づき、正当か不当か、社会常識の範囲内で判断して上司に相談。

④対応方針の決定でのポイント

 具体的な対応・回答方法(対面か書面か)を決め、誰が伝えるか(上司か弁護士か)を決める。円満解決にならず、平行線になるのも結論のひとつ。話し合いが平行線になるのを気にしない。

⑤対応(回答)でのポイント

 毅然とした態度で冷静、かつ丁寧に回答を提示。
 回答は覆さず、拒絶すると決めたことはきちんと拒絶する。

 難クレーム、不当クレームでは、

・道義的責任については経緯を説明し、謝罪をする
・法的責任については事実確認をできた場合に損害を賠償する

 これが鉄則です。担当者はその場しのぎの不用意な対応をしないこと。もし、不相当な約束をしてしまった場合は、相手の要求をそのまま飲まざるをえなくなるからです。

重要なのは、回答は覆さず、会社として毅然とした対応をとること。

 そのためには記録をきちんと取り、組織全体でクレームに当たるようにしましょう。

消費者が苦情相談をする機関

 消費者が苦情を相談する機関としては、消費者センターやADR機関(裁判外紛争解決手続/国民生活センター紛争解決委員会が窓口)があります。
 ADRは、身の回りで起こる法的トラブルについて、裁判を起こすのではなく、当事者以外の第三者に関わってもらいながら解決をはかるという手段です。
 不当クレーマーの常套句として「訴えるぞ」という言葉がありますが、実際には、リコールなどの場合を除いて、個人の苦情、トラブルの場合、たとえ訴えたとしても調停で和解をするケースがほとんどで、裁判にまで発展するケースは稀です。裁判は多額の費用と膨大な時間がかかるからです。

 企業側にとっては、謝罪や賠償に相当する事実があった場合は、当然、それらが必要ですが、相当する事実がなかった場合、または正確な事実確認のためにも、企業側からクレームを言ってきた人に、第三者機関の介入を勧める方法もあります。
 「商品によって体調を壊した」という場合は病院を勧め、そして個人と事業者が直接争うのではなく、あえて第三者機関を介入させます。そのほうが、トラブルが早く解決することもあるのです。

 

ワンポイント

お客様に企業側から第三者機関の利用を勧めるのは解決の早道。

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:クレーム対応の全技術