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クレームを宝に変える

第29回:指導者に求められるスキル

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 クレーム対応力の強化は危機管理の最優先課題として今やどの企業も力を入れて取り組んでいる。

 当社でも、様々な企業でクレーム対応力強化研修を行い人材育成のサポートをしてきた。しかしながらせっかく研修を受講しても、一過性のもので終わってしまい、定着するには時間がかかってしまうことがある。またクレーム対応は個々の性格や行動パターンによって異なるため指導が難しく個別指導も必要になってくる。

 そこで、最近では社内にクレーム対応リーダーを養成し、社員教育に力を入れている企業が増えてきている。個々の特性を考えながら指導法を変えていくことでより効果がでるのだ。

 例えば使命感・責任感が強くリーダーシップを発揮するが威圧的で融通がきかないというタイプの人には、そのスキルを評価したうえで、理論で納得させるような指導をする。

・面倒見がよく温厚だが感覚的で問題解決力に乏しいタイプの人には、定期的に課題の設定をし、説明力・説得力の強化を指導する。
・客観的で理論性が高く問題解決力が高いがクールで表現力不足タイプの人には、相手の立場を尊重する必要性を理論的に理解させる。
・明るく積極的でチャレンジ精神が旺盛だが、わがままで物事の判断基準が好き・嫌いとういタイプの人には少しずつ積み重ねていく課題提示をし、叱る注意は最小限にする。
・協調性が高く穏やかで指示や命令には従順だが、自己主張に乏しくメンタル面が弱いタイプの人には評価と課題を区別して伝達し判断力に自信を持たせるようにする。

 社内にリーダーを育成することで仕事に密着した育成ができ、問題に応じた対応方法をその都度教えることができるようになる。また個々のレベルに合わせて指導することが可能になり業務の改善、効率化にもつながるというメリットもある。しかしながらリーダーが日々の業務をこなしながらの指導となると時間がとりにくく、発生時や随時ということで早急な対応ができにくいというデメリットもあるので注意をしたい。

 指導がその都度になってしまうと、担当者が戸惑い、大きな問題を起こしてしまう原因にもなる。

 ここでクレーム対応の指導者に必要なスキルを紹介したい。

①企業としての危機管理の最優先課題であるクレーム対応の捉え方を明確に認識する。

②自らがクレーム対応の率先垂範者としてモデルとなれる対応力を体得する。

③クレームを貴重な情報源として問題解決できる仕組み作りを構築し、解決策や情報共有を検討する。

④指導者としての心構え、指導のポイントを身につける。

 社内のリーダーは自身の応対が見本である必要がある。常に見られているという意識を持ち日々の行動を、気をつけることから始めたい。

 

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える