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クレームを宝に変える

第25回:クレームの限界

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 最近は理不尽でわがままな利用者も増えている。そこでクレーム応対の収束をどこで引くかについて説明したい。利用者の立場に立った応対とはいえ慈善事業ではないため繰り返されるわがままや理不尽な要求には毅然とした態度も必要だ。

 担当者としてはお客様が怖いからといっていつも「新品の商品と交換します」では会社は成り立っていかない。またごね得を作ると利用者はさらに要求をエスカレートさせてくる。謝罪し、解決策も提示したのに引き下がらない場合、へたをするとクレームは半日、数日と長引いてしまうこともある。こちらがクレーム応対のステップにのっとりきちんと応対してもなお理不尽なことを言い続けるお客様には毅然とお断りすることも大切だ。

お客様
「直してもらったペンがまた壊れたわよ」
担当者
「このたびはお時間をいただきましたのにご迷惑をおかけして申し訳ございません」
お客様
「まったくよ、天下の日本商会の名がすたるわよ」
担当者
「お怒りはごもっともです。お客様すぐに商品を拝見させていただきまして再度修理の手続きをさせていただきたいのですが、いかがでしょうか」
お客様
「そんなことでは嫌だね。新しいものと交換してよ」
担当者
「あいにくすでにお使いいただいている商品ですので、確実な修理ということで再度お願いできないでしょうか。」
お客様
「確実な修理がお宅はできないから新しいのを送ってくれと言ってるのよ。その間ペンをまた使えなくて不便なんだから」
担当者
「毎日お使いいただくものですのでご不便をおかけします。ぜひもう一度修理をさせていただけないでしょうか。」
お客様
「もう修理はいいからさ、壊れていない新しいものと取り替えてよ」
担当者
「今回確実な修理ができていなかったのは私どものミスです。そのため確実な修理を無償にて承るのは会社の責任として応対させていただきます。ですが新品との交換はお受けできかねますのでその点はご了承いただけないでしょうか」
お客様
「だって、使えなかった不便さやケチのついた品を使う身にもなってよ」
担当者
「確かに不愉快な思いをさせたことは申し訳なく思っております。ですがお客様のご要望が新品へのお取替えということでは応対しかねます。お客様修理ということでご了解いただいてもよろしいですか」

「速習!クレームの初期対応と解決のポイントDVD」より

 何とかごね得をしたいという利用者や悪意を持って必要以上の特権を主張する利用者もいる。こうした要望を最終的に受け入れるかどうかは会社側の判断だ。 理不尽な要求で今後もめたり、マイナスの流布につながるのであれば穏便に収めたい。また常に特例は作らないという姿勢を強く貫くのも良い。着地をどこへ持っていくかを職場の中で検討することが必要である。

 

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える

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