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クレームを宝に変える

第1回:大クレーム時代の到来

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 当社は創設16年以来各企業、官公庁・自治体で階層教育・職能別教育などいろいろな教育テーマを手がけてきた。

 社員教育をおこなう中でクレーム応対力強化は、この数年要望が多くなり、その必要性を痛切に感じている。顧客満足を追及すると同時に会社の危機管理の一つとしてもハイレベルなクレーム応対力が出来る社員育成が必須事項となってきたと言えよう。

 クレームは理不尽な要求を突きつけられたり、怒りの感情をぶつけられたりと応対者にとっては、「嫌なもの」「避けて通りたいもの」だ。また日常そう多く起こるものではないクレームは、日常会話の延長線上では限界がある。

 クレーム応対を通して、顧客の問題解決をすることこそが顧客満足につながり、また永久顧客に結びつける重要な鍵である。顧客の理解と納得に結びつけるためには、それ相当のスキルの習得が必要になる。
大クレーム時代の中、いわばどの組織も「対岸の火事」ではなくなってきたといえよう。クレームが、多くなってきた背景はいろいろあるがまず二つを確認しておきたい。
 「お客様満足経営の浸透」と「企業の度重なる不祥事の多発」という、昨今のビジネス動向が大きく影響しているものだ。

 何かがあっても言わない、あきらめ泣き寝入りしていた顧客が「主張する」「権利として言って当然」変化してきている。また仕事でストレスをためる企業人は自分が消費者になると、今度は自分がクレームを出す側になる時代でもある。いわば普通の消費者が切れてクレーマーに豹変する時代でもある。従ってクレーム応対力強化は、企業の危機管理の優先課題としての取り組みが必要となってきたわけだ。

 しかし、優先課題であるにもかかわらずクレーム応対力を強化するための職場での指導はさんざんたるものと感じている。たとえば「顧客の話をきちんと聞き企業として出来ることと出来ないことをしつかりと伝える」や「顧客は色々いるので状況により臨機応変に対応する」等ときわめて曖昧で抽象的な指導を受け現場としては結果大事態に発展してしまうことも多いのが現状だ。しかも日ごろから人と争ったり交渉をしたりすることが苦手といわれている日本人にとり、クレーム応対は経験だけで対応するには難しい。

 クレーム客の心理を理解し、どのように解決に誘導するのかという知識を得て、実践的におこなうことは、クレーム応対力の強化だけにとどまらず、クレームそのものの軽減、顧客満足度の向上などが期待できる。

 気持ちはあっても伝えるすべがない、悪気はないのについ火に油を注いでしまう問題発言を見るにつけ「何とかしたい」という思いで支援をしてきた。

 今回30回にわたり「ピンチをチャンスに変える」「クレーム客をファンにする」をテーマにクレームを解決に導く考え方や解決方法をご紹介したい。

 

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:日経流通新聞 連載記事:クレームを宝に変える