コラム
コラムイメージ画像
クレーム対応の全技術

第7回:留意ポイントを時系列に見ていこう

ステップごとに必要なスキルは違う

 ここでは、クレームを解決するために留意すべきポイントを、時間の経過に沿って整理していきます。

 

STEP1
初期対応→リレーションづくり 良好な関係の構築 ←「マナー」

STEP2
中盤対応→フォーカシング 問題点の把握と整理 ←「聴く力」

STEP3
終盤対応→ゴールへの誘導 具体的解決策の提示 ←「話す力」

 

 第1ステップの「リレーションづくり」とは、お客様の相談に乗る姿勢、体制づくりのことです。お客様とのマイナスの出会いを、親身な対応でプラスへと近づけ、信頼関係を築くことです。そのためには、お客様に好印象を持ってもらうことが大切です。ここで求められるスキルはマナーです。
 マナーは良い印象を与えるだけでなく、攻撃から身を守る鎧にもなってくれます。クレームを言ってくるお客様は主観的で感情的なので、一触即発を防ぐためにも初期対応での姿勢、態度には注意が必要です。具体的には、

 好感をもたれる印象作り、声のトーンチェンジ、受容のあいづちや単語の復唱、適切な言葉づかいと謝罪、情報入手のために質問など……。

 良好なスタートをきったら、第2ステップの「フォーカシング=問題点の把握と整理」に進みます。
 ここでは、実際の被害状況を把握するなど、お客様の目的や問題を明確にします。
 しかし、要望や状況を的確に伝えてくれるお客様ばかりとは限りません。お客様が感情的であっても的確に焦点を絞って「聴く力」が必要です。
 同時にお客様の怒りを静める「共感力」も求められます。
 たとえば、お客様の「ひどい目にあった」という感情的な問題を軽視して解決を急ぎ過ぎると、「弁償すればいいと思ってるんでしょう」と、怒りのこぶしが収まらなくなります。

 「まずはお客様の不安や不満をきちんと受け止め、謝罪した上で、詳しく話を聴く」

 という順序で進めば、解決策へと誘導しやすくなるのです。
 謝罪の言葉に加えて、「お客様の困っている状況を何とかしたい」という気持ちを伝えていくと、お客様の不満をクールダウンさせ、こじれた感情を整理できます。

 問題点が明確になったら、第3ステップの終盤に向けて解決策の提示へと進みます。
 ここで求められるスキルは「話す力」です。

 「お客様、今後の対応ということで、話を進めさせていただいてもよろしいでしょうか」と、勇気をもって主導権を握りましょう。

 会社としての解決策は、お客様にとって望ましいものとは限りません。そこに誘導するには、お客様に了承いただけるよう協力を促す力が必要となります。
 大切なのは、会社のルールを一方的に押しつけることのないよう、お客様の身になって話すことです。ポイントは、次の2点です。

・お客様の理解度を見ながらわかりやすい言葉で説明
・会社のルールを謙虚に伝えるお願い表現

 

ワンポイント

ステップごとに、「マナー」「聴く力」「話す力」の3つのスキルが求められる。

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:クレーム対応の全技術