コラム
コラムイメージ画像
クレーム対応の全技術

第5回:対応時にやってしまいがちな5つのこと

クレーム対応は「迅速かつ確実に」が鉄則

 歓迎されざるクレームは、つい後回しにしてしまったり、感情的に対応してしまいがち。クレーム担当者として、やってはいけないことを紹介していきましょう。

①クレームを軽く見てしまう

 1日に何本も苦情を受ける専門部署でよく見られるケースです。同じようなクレームがくると感覚が麻痺し、「またか」と思ってしまいがち。抗議に慣れてしまって、マンネリ感覚に陥ってしまいます。
 しかし、どんなクレームも後回しは厳禁です。部署ではよくあることでも、お客様にとっては初めてのことです。

 「お客様の口調がおだやかだから」「高い商品ではないし……」と、クレームを軽視し、内容によって対応を変えるなどは絶対にしてはいけません。クレームをトラブルに発展させる原因になります。

 

②感情的に対応してしまう

 お客様にも色々なタイプの人がいます。理不尽な要求をしてくる人、つじつまの合わないことを言う人、なかにはうっぷんをぶつけてくる人もいるでしょう。
 クレームがこじれると、お客様は感情的になって語気を荒げることもあります。しかし、ここでお客様につられて感情的になってはいけません。
 クレーム対応の目的は、お客様をやりこめることではありません。大切なのは、お客様と一緒に問題を解決することです。
 また、一度相手にマイナスイメージを持ってしまうと、なかなか冷静に話を聞けなくなります。

 クレーム対応に感情を持ち込むと解決の妨げになります。

 

③原因追求ではなく、犯人さがしをする

自分のミスではないクレームの応対をしていると、「自分は悪くない」「なんで私が」という意識が芽生えがちです。そして、つい傍観者的な対応になり、

 「担当ではないのでわかりません」と自分を正当化する逃げ言葉を使ってしまいます。

 しかし、お客様には誰が担当か関係ありません。責任逃れに聞こえるだけです。社内での責任追及を先行させ、お客様への対処が遅れてしまうなどはもってのほかです。自社に対するクレームには当事者意識を持って対応しなければなりません。

 

④逃げ腰になってしまう

 「すみません」「申し訳ございません」と、謝罪の言葉を繰り返すだけの受け答えに終始してしまう場合もあります。こうした対応は、担当者の苦手意識から来るものだとしても、お客様の印象を悪くするだけです。

 このように消極的な応対してしまう理由は、2つあります。

 ひとつはクレーム対応に不慣れなこと、そしてもう一つは商品や業務知識が浅く、対応方法がわからないということです。

 ただし、クレーム対応は精神的負担も大きく、ストレスにもなります。お客様への対応がぞんざいになるのはNGですが、自分の精神状態を悪くすることは避けたいものです。そのためには社内で勉強会を開き、商品知識を増やしたり、クレームを共有して個人の負担を軽くする仕組み作りが必要です。

 

⑤対応を先送りにする

 クレームは突然入ってくるもの。多忙なとき、あるいは担当者が不在の場合もあります。そんなとき、つい他の人に対応を押しつけたり、折り返しの電話を先延ばしにしていませんか?

 「忙しいから小さなクレームに対応していられない」--この心理が対応を先送りにしてしまうのです。

 お客様が求めるのは起きていることの問題解決であり、大切なのは確実で迅速な対応です。
 クレームがくるということは、すでに何らかの問題が存在しているということ。そこでいい加減な対応をしていると、問題に問題を重ねることになり、さらに事態を悪化させてしまいます。問題が続いたら、お客様の怒りは倍ではなく、3倍4倍になると思ったほうがいいでしょう。

 多忙な場合のクレーム発生にも、社内の体制が必須です。「このケースはここまでを担当する」と一定のところで線引きをするといった体制があると良いでしょう。

 

ワンポイント

やってはいけない5つのことを肝に銘じよう。

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:クレーム対応の全技術