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クレーム対応の全技術

第13回:対応を間違えると危険な不当クレームと対処法

脅迫まがいの不当クレーム

 クレームのなかには、脅迫まがいの不当クレームも存在します。
 不当クレームとは、金品や物品を目的としたり、要求自体に不当性があるクレームです。

・瑕疵(欠陥)または過失が存在しないのにクレームを申し立てられる
・損害等に対する不当かつ過剰な要求
・正当な理由がない執拗な攻撃、要求
・申し出る態度が不当、不法

 など

 具体的には、暴力行為、威嚇、乱暴な言動での要求、または面会の強要、長時間の居座り、そして誹謗中傷で個人を攻撃するなどの行動です。

 これらは担当者を精神的に追いつめ、明らかに職務を妨害するもので、企業としては毅然とした態度で対応することが求められます。
 実際にこれらの脅迫、妨害行為は、法律にふれる行為ですが、軽々しく法律を振りかざさないこと。相手を激化させます。

 このように違法行為にあたる場合は、担当者一人で対応することは不可能です。下にあげたようなキーワードが出た段階で、不当クレームとして、上司に即相談してバトンタッチ、顧問弁護士などに相談するなど会社単位で対処しましょう。

不当クレームのキーワードと対応トーク

①「誠意を見せろ」を執拗に繰り返す

<STEP1> 具体的に要求を聞き直す
<対応トーク>
 「お客様のご要望を具体的にお伺いすることになっておりますので、お答えください」
 「お答えいただけなければ当社としてもこれ以上応答できない定めになっております」

<STEP2>
 誠意を見せるより社会的に誠実に対応→「できないものはできない」と答える

②大声で誹謗中傷(恐怖を感じる脅迫的な言動)

<STEP1> 驚きの表情で、気持ちは冷静をキープして、言動を問いただす
<対応トーク>
 「どういったことでしょうか」(真意を問う)
 「そのように威圧的におっしゃいなすと、お話しできません」
 (不当クレームでない場合なら、ここで「言いすぎた」と理解していただける)

<STEP2>
 誹謗中傷が続くようなら、「お客様、これ以上、同様のご指摘が続くようでしたら、冷静な対応は難しく、当社としましては第三者機関に委ねた対応をせざるを得ません」と恐怖を理由にいったん話を打ち切る

③異常としか考えられない長話(相手と一緒に申し出の内容を整理しても、平行線である場合)

<STEP1> 職務のさまたげになると対話を拒否
<対応トーク>
 「これ以上お話ししても同じかと思います」
 「その件はお伺いしましたが、その件は***いたしかねます」
 「何とおっしゃっても、当社としてはご要望通りの対処はできません」

<STEP2>
 職務の遂行を妨げようとする行為としてはっきりと拒否する

④「今すぐ結論を出せ」(怒鳴るなど)

<STEP1> その場をおさめるための妥協はしない
<対応トーク>
 「大事なことですから、弊社として協議しましてから、お応えさせていただきます」

<STEP2>
 担当者を焦らせてから攻撃に入るという不当クレーマーの狙いにのらない

⑤「ネットに書くぞ!」

<STEP1> 驚きの表情をしながら、平然を貫く(不当クレーマーからの誘いに乗ることになるので、「そこを何とか」と発言の取り消し、撤回はお願いしない)
<対応トーク>
 「さようでございますか。私どもはお客様のなさることをどうこう言える立場でございません」

<STEP2>
 ネット上で脅迫行為がないか監視

⑥「詫び状を出せ」の執拗な繰り返し

<STEP1> 詫び状以外で対応
 「詫び状」を書かなければならない法的な規定はなく、本来は必要ない
<対応トーク>
 「私どもでは『詫び状』はお出しできません。事実確認のための文書なら提出させていただきます」

<STEP2>
 「顛末書」「○○の件」と題した文書を社内確認の上、提出。個人名を記した私文書にせず、団体名を明記

 

ワンポイント

難クレームでの理不尽な発言も、事前に準備があれば落ち着いて対応できる。

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:クレーム対応の全技術