コラム
コラムイメージ画像
クレーム対応の全技術

第12回:お客様に合わせた臨機応変な対応が解決への早道

こじれると困難なお客様のタイプ

 クレームの内容がさまざまであるように、クレームを寄せるお客様のタイプもさまざまです。それぞれで価値観や期待、判断の物差しが違っているため、すべてのお客様に同じ対応方法は通用しません。
 そこで、ここからはこじれがちなお客様への対処法を、お客様のタイプ別に見ていくことにします。
 対応のポイントを間違えると解決までに時間がかかるなど、大きな問題に発展する恐れもあるので、必要となるスキルまで細かく解説します。

①主義主張を訴えるタイプ--「こっちは客なんだから当然だろ!」

 社会のルールや道徳を大切にするタイプです。信念や価値観を貫こうとする気持ちも強く、「料金を払っているのだから、対価に見合ったサービスを受けて当然だ」と、自分の正当性を主張します。
 このようなタイプのお客様には、相手の立場や主張を尊重した共感が重要です。丁寧な態度で謝罪して相づちを打つなど、お客様を立てる態度で接することです。

②常識(社会的通念)が希薄なタイプ--「だから何でダメなのよ!」

 常識だと思われることが通用しにくいタイプです。
 このタイプのお客様には「知っていて当然」という態度をとると危険。「決まりですから」「常識です」という言葉は禁物です。
 お客様の話に丁寧に耳を傾け、丁寧に説明すること。「わかりやすい説明ができておらず失礼しました」という言葉を添えると、話を聞いていただきやすくなります。

③理屈っぽいタイプ--「キミの言い方、話だと***がおかしい」

 このタイプは、状況を冷静に判断し、物事を合理的に処理することを好みます。強い口調で話すことはないものの、矛盾点や報告の遅れについて納得がいくまで追求してきます。
 このタイプには、結論を明らかにするのがポイントです。できること、できないことをはっきりと説明し、ご納得いただけるまで冷静に対応しましょう。

④くどくどお説教タイプ--「そもそもお宅は教育がなってない」

 社会のため、会社のためになることをしたいと思っている指導者タイプです。
 アドバイザー的にクレームを言いに現れるという人もいて、接客態度や商品などさまざまな状況に口を出したがります。
 ご迷惑をかけた点には謝罪し、アドバイスに感謝を示すことは重要ですが、頻繁な指導には配慮を促す線引きが必要です。
 お客様が気分を害さないように、「温かく見守っていただきたい」とやんわりとお断りしましょう。

⑤罵詈雑言タイプ--「バカヤロー!」「冗談じゃない!」

 怒鳴ったり、顔を真っ赤にして怒るのが特徴です。
 対応する側として戸惑いますが、一定時間話を聞くと、お客様はクールダウンします。不満を吐き出せば、こちらの話を聞いてくれるのです。
 ただし、こちらの挑戦的な態度にはすぐに反応するので、「でも」や「そうはおっしゃいますが」など否定的な言い方は禁句です。
 「おっしゃることはわかりました」などの肯定表現を使うよう心がけましょう。
 また一度電話を切って機会を改めたり、話す場所を変えるなどもクールダウンに効果的です。

⑥優柔不断タイプ--「そうね」「どうしたらいいかしら」

 解決策を提案してもなかなか納得できず、決断力のないタイプです。このタイプに曖昧な表現をすると、応対が長引きます。
 また「あなたならどうする?」と意見を求めてくることもあります。この場合は、具体的なメリットや理由をつけて説明すると納得してもらいやすくなります。
 会話が長引かないよう、結論から話し、メリットを展開していくなどテンポよく話すようにしましょう。

 お客様のタイプを見極め、タイプによって対応を変えることができれば、「イエス」の答えをいただきやすくなるものです。
 とはいえ、お客様のタイプを瞬時に見極め、対応を変えるのは簡単なことではありません。
 また、実際に現場では理屈っぽい説教型など、特徴がクロスオーバーする場合も多く、それだけ多くのスキルが必要になります。
 どんなお客様が来られても対応できるよう、さまざまなタイプをベースにシミュレーションをして、日ごろからスキルを磨いておくことをおすすめします。

 

ワンポイント

どんなお客様に対しても同じワンパターンな対応ではなく、お客様のタイプに合わせて対応できれば一人前。

古谷治子 写真

マネジメントサポートグループ代表 古谷治子
東京放送、中国新聞社にて9年間実務を経験。
その後、大学・短大等にて「就職支援講座」「ビジネス行動学」の講師を務める傍ら、心理学・カウンセリングを学ぶ。女性の自立を目的に開講した「マナーインストラクター養成講座」が雑誌等で取り上げられ話題となる。

出典:クレーム対応の全技術