消費者庁誕生を前に『CSにチャレンジする企業シリーズNo.4』

-消費者庁誕生を前に-CSにチャレンジする企業シリーズNO.4 日本の翼 JALへの挑戦!!

-消費者庁誕生を前に-『CSにチャレンジする企業シリーズ No,4』

対談
新春対談
話し手
株式会社日本航空インターナショナル
CS企画部 部長 木村 啓様
聞き手
マネジメントサポートグループ
代表 古谷 治子


●日本航空様の新年の抱負についてお聞かせ下さい。
世界的な金融不安の影響で厳しい環境下に直面している企業が多くなってきていますが、当社の場合も同じです。しかし、苦しい時期だからこそ、リーディング・エアラインとして顧客満足の更なる向上を目指し、商品・サービスの一層の強化を目指していきます。今後、短期間でお客さまが爆発的に増加・回復することは難しいと思っていますので、原点に立ち返り足元の見直し強化をしていきたいと思います。
●具体的な取り組みについてお聞かせ下さい。
まずは、航空会社としての基本品質の一つであるヒューマンサービスの更なる向上です。また、A地点からB地点までお客さまを安全・安心にお運びするための定時性も基本品質として重要ですので、その部分もしっかりと取り組んでいきたいと思っています。おかげさまで現場・関連スタッフのたゆまぬ努力により、昨年は競合他社と比較しても高い定時性を維持することができました。また、多様化してきているお客さまのニーズに対しても、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
●お客さまの多様性とはどのように変化してきているのでしょうか?
昔はどちらかと言えば企業側が商品を企画造成し、お客さまがその中で取捨選択する時代でした。言わばパック旅行のようなものが人気だったのですが、今は「機内食はいらない」「○時までは起こさないで欲しい」など、お客さまのご要望は様々です。
例えば、機内食に関するご要望も多様化しておりますが、当社では既に長距離(ロンドン、パリ、フランクフルト、アムステルダム、ニューヨーク、シカゴ線)路線のエグゼクティブクラス(ビジネスクラス)で『お好きな時間にお好きなものをお召し上がりいただけるスタイル(Anytime You Wishサービス)』を取り入れております。このサービスは2回目のお食事において、和風、洋風あわせて10数種類取り揃えたメニューの中から、お好みにあったものをお好きな時間に、何度でもお召し上がりいただけるもので、お客さまのニーズの多様化に対応するサービスの一つです。ただし、このようなサービスはあくまでも『ツール』の一つであり、それを提供するヒューマン、すなわち客室乗務員の細かな対応がより重要だと考えています。
Anytime You Wish サービスはこちらをクリック
また、深夜便においてゆっくりおやすみいただけるよう『JALぐっすりサービス(JAL GOOD SLEEP SERVICE)』というサービスを始め、機内でゆっくりお休み頂けるための工夫をさせて頂いております。
GOOD SLEEP SERVICEサービスはこちらをクリック
●そのような細かな対応ができる秘訣は何ですか?
やはりお客さまの声に徹底的にこだわることだと思います。当社カスタマーサポートセンターには昨年度約4万件のお客さまの声が寄せられました。この貴重な『声』を分析し関連部と共有し、迅速に改善に繋げていくこと、また、改善事例をお客さまにフィードバックすることも大切だと思っています。先ほどお話した『Anytime You Wishサービス』や『JALぐっすりサービス』などはまさにお客さまの声から生まれたものです。
また、お客さまから寄せられる声だけでなく、各社調査などを通じて直接お客さまの声をお聞きする取り組みを行っております。
●御社のように多くのお客さまを対象にしますと、そこから生まれるクレー
ム対応も大変かと思いますが、お客さまの視点でのクレーム対応にか
なり力を注いでいらっしゃるそうですね。現状についてお聞かせ下さい。
お叱りへの対応をお客さま視点で常に実践することは時には難しいこともありますが、重要視しているポイントとしては「納得性」だと思っています。当社ではお客さまに説明する時に、「これなら納得できる」と思って頂けるかに重点を置いて対応しています。 対談2
そのために、まず巨大組織にありがちな縦割制度を改め、CS推進本部を立ち上げました。全体を把握できている担当が全ての話を伺うことこそお客さま目線のCSだと考え、お客さまからのお叱り・ご意見に真摯に対応する組織体制を整えました。現在ではCS推進本部内に、2部(CS企画部・カスタマーサポートセンター)合わせて約100名の人員を配置しております。
●今後のJALの事業展開についてお聞かせ下さい。
座席等のハード面はいずれ他社にも模倣されてしまいますので、エアライン間の厳しい競争に勝ち抜くためには、お客さまの声にこだわること、そしてより良いヒューマンサービスに尽きるのではないかと思っております。
また、当社の社長の西松は、「日本のお客さまだけを相手にしていてはいけない。外国のお客さまについても我々がもっと真剣に考えなくてはならない」という課題を常に口にしております。
現在、羽田空港からは、韓国線、香港線、上海線が就航しており、外国のお客さまも増えています。当社ではこうした実情に対応するために韓国語等を話せるスタッフを空港に配置しております。また成田発着の韓国線では通訳を同行させる等、多国籍・多言語化にも積極的に取り組んでおります。
また、これからは販売面でのコスト削減も大きな課題です。そのためにWEB化を推進し、ホームページ経由での販売を増やすことにより、お客さまの負担軽減や自社の効率化にも繋げていければと思っております。
●お客さま目線経営への転機をお教え下さい。
至近の直接的なきっかけとしては2005年3月に国土交通省から業務改善命令を受けたことです。その頃、当社ではトラブル等によりお客さま離れが急速に進みました。このことは我々にとってまさにショック療法になりました。安全とCSという両輪を徹底的に一から見直そうということを始めるきっかけになりました。
●搭乗されたお客さまにアンケートか何かお取りになっているんですか?
当社では四半期に一度、バリュースコアというアンケートを、5年ほど前から実施しております。事前に無作為で抽出した座席番号をもとに、お客さまに機内にてアンケートをお願いし、ご利用いただいた様々なサービスについて評価して頂いています。その結果を現場にフィードバックし、現場スタッフが中心となり改善するよう努力しております。本社サイドではあくまでもそれに対するヒントを与えるような取り組みを行っております。
●競争に勝ち抜くための努力についてお聞かせ下さい。
新年がスタート致しましたが当社の目標は、顧客満足の向上であり言い換えればお客さまの大変満足を増やすことです。大変満足というのは、5点法で5点を増やすことです。ではどうやったら5点が増えるかというと、お客さまに感動していただくサービスを提供出来ないと5点にはなりません。単に「良かった」というだけでは5点にはなりません。その5点をいかに確保出来るかというような企画に全社挙げて取り組んでいきたいと思っております。
お客さまに感動していただくサービスというものは、すごいことをするのでなく、実はさりげないお客さまへの気遣いや想いが感動に繋がるものです。このようなお客さまへの気遣いや想いを大切にする企業風土を作っていきたいと思っています。
また空港内の整備や空港スタッフを中心として、職種を越えた問題意識や情報共有化を図り、お客さまに対して各地で様々な運動を展開しており、いくつかの取り組みを紹介します。
横断幕(北九州空港) ○「ご搭乗ありがとうございます」という横断幕でのお見送り
全国各地で様々な部門のスタッフが定期的にお客さまへの感謝の気持ちとして横断幕でのお見送りを実施しております。
○グランドハンドリングをする人達が飛行機が出る時に一礼をする
多くのスタッフや機材が並び、ともすると雑然となりがちな航空機周辺において、スタッフがそれぞれの配置で姿勢を正し、安心感・信頼感を直接伝えるために、整列して航空機とお客さまをお出迎えしております。 グランドスタッフ挨拶(中部国際空港)
○ボーディングブリッジの中に手作りの絵を飾る
新千歳空港では、ボーディングブリッジ内にお客さまへの感謝の気持ちと、JALグループの信頼回復につながるメッセージポスターをすべて社員の手書きで季節ごとにメッセージ内容を変更し掲示していております。
この取り組みの核となるスタッフを3年ほど前からコミュニケーションリーダーとして全国で80名程、様々な職種から人選しております。パイロットの人もいれば、整備の人もいるし、キャビンアテンダントもいます。その人たちが月に一度本社でミーティングをして、こんな取り組みをしようじゃないかとか、逆に今のJALって何が問題なんだろうなど、ディスカッションする場を設けています。 ボーディングブリッジ(新千歳空港)
こうした取り組みというのは地道な取り組みで、直に効果が出るものではないですが、航空事業に携わる事業者としてお客さまの安全・安心のためにも常に努力していかなければならないことだと思っています。それこそが、お客さま目線での経営の原点だと思っております。

木村 啓様プロフィール

株式会社日本航空インターナショナル CS企画部  部長
略歴

1982年入社。沖縄空港にて3年間フライトオペレーションを担当。その後、日本長期信用銀行に出向。本社経営企画室に勤務5年間を経て客室本部(CA)4年間勤務。外国人客室乗務員についてのプラン等を推進。商品開発部では座席の開発などを手がける。現在、CS企画部勤務、部長として活躍。


古谷治子からのひとこと

離陸の際に地上でスタッフの方々が手を振って下さるあの光景がとても好きです。 何度送っていただいても、心熱く感動します。日本航空様のように世界中のお客様を対象とするビジネスは、「こうすれば絶対に良い」、というサービスレベルの構築・標準化がとても難しいと思います。特に航空業界は質の高いサービスが期待される業種であり、日々のサービスマネジメントにご苦労されていることと思います。
本日のインタビューでは、その期待に応え続けながら、更なる課題に取り組む日本航空様の真摯な姿勢と、ヒューマンサービス向上を目指した多岐に渡る活動をうかがうことができ、「さすが!」と感銘を受けました。 今年度は消費者庁の設立が濃厚で、お客様視点での経営が話題になるでしょう。日本の翼として運輸業界はもちろんのこと、お客様の安全確保と定時運行、サービス向上をまさに実践されているリーディングカンパニーとして、混沌とした昨今の景気低迷を払拭いただき、日本の産業界全体を牽引して頂ければと思っております。ますますのご発展をお祈りいたします。


1名から参加OK!小人数制で”身につく”『公開講座』はこちらから

ビジネスマナー、クレーム対応本で一番売れている『クレーム関連ビジネス書』はこちら


弊社は「クレーム対応」を通し、企業様の発展とその先にあるお客様の満足をこれからも追求していきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

■このメールの差出人に覚えの無い方・メールが不必要な方へ
万が一、本メールの差出人にお心当たりの無い場合、または、不必要な 場合は、大変お手数ですが、件名に不要とご記入の上、下記宛、送信願 います。
↓↓↓
定期購読の中止

クレーム対応DVDの詳細はコチラから

クレーム対応DVDの詳細はコチラ

古谷 治子 著
日本実業出版社
【購入はこちら】

「CSクレーム対応検定®」マスターブックです。 "魔法の3ステップ"でうまくいく!
受検される方はもちろん、お客様と関わる全ての方におすすめの1冊です。

古谷 治子 著
日東書院本社
【購入はこちら】

「電話クレーム」に頭を悩ます人達の「解決マニュアル」ブックです。 電話応対法が、イラストを交えてわかりやすく説明されています。
ビジネスマン、OLに欠かせない万全の1冊です。